１７日目 天使と金曜日 ページ18
『へへ、これ楽しい〜。』
「(地獄か。)」
お預け状態？
――――――
毎週金曜日になると相澤先生の部屋に尋ねてくる天使、今日はいつもより少し表情がわくわくしている。手には何やら自分の制服のネクタイを握りしめていた。
『ねえ先生？これ――』
「絶対に嫌だ。」
『まだ何も言ってないじゃん！』
２人とも風呂を終え、今は完全にリラックスモードだ。でも天塚はまだ遊び足りないようで、先生ともう少し遊びたいらしい。しかし肝心の先生は何となく予想できたのか天塚の言葉を遮って寝ようとする。
『ちょっと、ズルい！まだ寝ちゃだめ！』
「お前絶対しょうもない事するだろ、俺は疲れてるんだよ…。」
『そんな事ないです！ほら起きて？』
腕を全力で引っ張られ無理矢理起こした先生の視界を覆うように、天塚は自分のネクタイを先生の目に被せて頭の後ろで軽く結ぶ。その表情はとてもにこやかだった。よほど今日を楽しみにしていたのか敬語がぐちゃぐちゃだ。
「…で、何がしたいんだ？」
『ふふ、ひみつ〜！』
一週間の激務をやっと終えた先生にとって今の時間は少しだけ苦痛に感じた。せっかく恋人と思う存分触れ合える時間なのに、激務を終えた身体は早く休ませようと瞳を閉じさせようとする。
しかも天塚は自分の視界を塞ぎ、寝てもおかしくない状況を作り出した。そして何をするかと思えば静かに先生の手を引っ張り、自分の髪や翼に触れさせる。こんな可愛い行為、たまったもんじゃないなと先生は心の中で溜息をついた。
『俺の髪の毛、どう？触り心地。』
「…ふわふわしてる、さらさらで気持ちいいよ。」
指で軽く梳いてやれば引っかかる事無くするりと通る髪の毛。くしゃくしゃと撫でてやればヘアオイルの良い香りがふわりと広がった。
『これ、ど〜こだ？』
「鼻か、シュッとしてるな。綺麗だよ。」
次の場所に移動させようとする天塚の手を振り切り、先生はゆっくりと指を少し下にずらして唇へと触れる。指の腹で軽くなぞりながら撫でてやれば天塚は恥ずかしいのか、口をキュッと結んだ。
しかしここまでやっておいて終わりなんて事、流石に無いだろう。先生はこんな事をする天塚がいつも以上に可愛く思え、手を頬に移しながら顔を近づけた。
『〜〜っ、ちょっと、待って！』
腕を掴まれる感覚と同時に重ねられた唇。
『先生は自分勝手しちゃ駄目！今日は俺にされるがままでいて？』
「(可愛い。)」
――――――
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 329人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
林(プロフ) - ユキヒメさん» コメントありがとうございます！完結済みなのに嬉しい；；相澤先生好きすぎて、書く作品ほとんど先生とくっついてます、、偏り、、 (2021年8月29日 23時) (
レス) id: 62a8050e41 (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - 椿さん» かわいい自慢の夢主くんです！ありがとうございます、、！（コメント気づかなくてすみません；；） (2021年8月29日 23時) (レス) id: 62a8050e41 (このIDを非表示/違反報告)
ユキヒメ - うちの推しオチだったーーー！！やったーーー！！！夢主くん可愛い！可愛すぎて心配ね、、、ナンパとか、まあ相澤先生がなんとかしてくれる！ (2021年8月25日 21時) (レス) id: 6b0d7c3cfa (このIDを非表示/違反報告)
椿 - 夢主くんかわいい…応援してます…!! (2019年10月8日 17時) (レス) id: 33631e1d2f (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - 夜剣さん» うわああ嬉しいコメントありがとうございます…！更新頻度遅くて申し訳ないですが、これからも宜しくお願いします！ (2019年2月13日 0時) (レス) id: 14631dcafc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：林 | 作成日時：2018年11月10日 23時
