深呼吸 75回目 ページ6
――イレイザーが言ったんだろ?
うるさいうるさいうるさい
いい子にするから
邪魔するのはもうやめて
――――――
本来埋められている筈のヒーローネーム欄、俺のは空白のままだ。証明写真と本名、学校情報等は埋まっているもののそこだけが空白だった。
本当はヒーローネームを決めて書類を出さなければいけなかったのだが、ヒーローネームを決めるはずの授業には参加しておらず仮免取得に向けた特訓の事でいっぱいいっぱいだった事もあり、すっかり考えるのを忘れていた。協会には校長先生から話を通しておいてくれたらしい。
「これで一歩ヒーローに近づいたな…おめでとう。」
くしゃくしゃと頭を撫でる消太さんの言葉を聞いて『ありがとう。』と、そう言うつもりだった。しかし先程思い出した嫌な記憶がまた蘇り、そうはさせてくれない。
――何故お前は雄英に入った?
そういえば、俺何で雄英に来たんだろう。どうしてヒーローにになろうと思ったんだろう。入試だってしてないし、消太さんが勤めてる学校だって事、ヒーロー科が有る事くらいしか知らなかったのに。
『…ねえ消太さん、俺…どうしてヒーロー目指してるんだっけ。』
気付いたら雄英に入ってた。授業を受けた訳じゃ無いのにヒーローになる為の仮免試験まで受けた。でも俺って本当にヒーローになりたいのかな?別に憧れていない訳じゃ無い、でもどうして俺はここに居るんだろう。
――イレイザーが言ったんだろ?“雄英に来い。”って。
消太さんが…俺に。でも何で?どうして消太さんはそう言ったの?俺何も覚えてない、忘れているのか何も考えていなかったのか。どっちなんだ??
『…消太さん?』
俺の頭を撫でていたはずの消太さんの手はピタリと止まったままだ。なんとなく、本当に何となくだけど…嫌な予感がした。この先は聞いちゃいけないと本能がそう警告している。
「Aお前、覚えてないのか?」
待って…その先は言わないで。嫌だ聞きたくない、全て思い出した。どうして俺が消太さんと暮らしているのか、どうして消太さんが俺の保護者なのか。
『…ま、待って…いい、言わないで…や――』
「いつも言ってたろ。“父さんや母さんを消した奴を見つけるヒーローになりたい”って。」
そんなのなれない。だって俺の両親を消したのは…俺。
『俺、おれは…わるい子?』
「どうした大丈夫か?」
――――――
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林(プロフ) - レインさん» 半裸待機の方…！他の作品も見て下さって嬉しいです！ (2019年1月13日 14時) (
レス) id: 54c62d0384 (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - シロウさん» コメントに気付かず長らく放置してしてしまってすみませんでした！ストーリーが上手く練れず亀ペースですが、温かい目で見ていただければと思います！ (2019年1月13日 14時) (レス) id: 54c62d0384 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - ホークスさんの人と同じ人だった驚き。 (2019年1月13日 6時) (レス) id: a956189dd3 (このIDを非表示/違反報告)
シロウ(プロフ) - 続き気になります！更新頑張ってください！ (2018年12月24日 20時) (レス) id: 0081c77fec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：林 | 作成日時：2018年11月2日 16時
