深呼吸 74回目 ページ5
――A、お前は“いけない子”だ。
やめて、やめてお願い
いい子にするから…。
――――――
頭が痛かったはずなのに、いつの間にか何も感じなくなった。そして暗い空間に俺だけ浮かんでるような感覚、俺どうなっちゃうんだろう。
まるで寝ているときの様な感覚だった。どれくらい時間が経ったのか、周りに何があるのか、何も分からない。
怖かった、まるで敵連合に攫われた時の様な孤独感に包まれているのは怖くて仕方ない。しかしそんな恐怖感を増やす様に、思い出したくない事を思い出させるように、首に指が押し付けられる感覚が伝わってきた。
無理矢理植え付けられた恐怖、忘れたくても忘れられない恐怖。
俺はわるい子じゃない、いい子にしてたのにどうして?いい子にするから、だからひどい事しないで。お願い。おれ、いい子になるから。
――――――
突然、本当に突然悪夢から覚めたような感覚。ひゅうひゅうと喉が鳴るのを感じ、同時に首に押し付けられた指も感じた。条件反射なのか思わず叫んでしまう。
『〜〜〜っああ、やだ!…俺、いい子に…はっ、はあ、うう…え、消太さん?』
オレンジ色の灯が灯る見た事のある部屋、首に伸ばされた手の持ち主を確認しようと肩を上下させながら視線を動かした。そこに居たのは死柄木ではなく消太さんで、俺は思わず泣き出してしまった。消太さんは何も言わずに俺の身体をきつく抱きしめ、背中をさすって頭を撫でてくれる。
『しょ、たさん…俺、怖かった…う、俺いい子にするから…だから――』
「何も言わなくていい…ああ、目が覚めて本当に良かった。」
『ごめんなさい…だから怒らないで、お願い…俺、いい子に――』
「A、落ち着け…お前はいい子だ、だから謝るな。」
『ひぐ、ううｯ、おれ、怖かった…鋭くて痛い音、っふ、やだ…地面も、痛くて。』
「…よく耐えたな、お前は本当に…よくやったよ。」
『ん、うう、俺…いい子?』
「…ああ。A、お前はいい子だよ。」
弔は俺がいい子にしててもわるい子にしてても与えるのは痛みだけだったけど、消太さんは痛みじゃない別の何かを俺に与えてくれる。
『…あれ、そういえば試験…俺、結果は。』
「…よく頑張ったな。」
満面の笑みで消太さんはそう言い、俺に紙とヒーロー活動許可仮免許証と印刷されたカードをくれた。
――――――
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林(プロフ) - レインさん» 半裸待機の方…！他の作品も見て下さって嬉しいです！ (2019年1月13日 14時) (
レス) id: 54c62d0384 (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - シロウさん» コメントに気付かず長らく放置してしてしまってすみませんでした！ストーリーが上手く練れず亀ペースですが、温かい目で見ていただければと思います！ (2019年1月13日 14時) (レス) id: 54c62d0384 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - ホークスさんの人と同じ人だった驚き。 (2019年1月13日 6時) (レス) id: a956189dd3 (このIDを非表示/違反報告)
シロウ(プロフ) - 続き気になります！更新頑張ってください！ (2018年12月24日 20時) (レス) id: 0081c77fec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：林 | 作成日時：2018年11月2日 16時
