深呼吸 100回目 ページ32
『俺ね、皆のことが好き』
雄英で会えた皆が大好き
――――――
『……俺が困ってると思って助けてくれたの?』
さっきの行為の理由を少しだけ考えてみた。面倒見の良い爆豪の事だから、きっと俺が皆に質問されて困ってると思ったのかな。
チラッと顔を覗きながらそう尋ねると、爆豪は何も言わないまま小さく頷いた。あはは、犬みたいで可愛いな。
「戻ってきたばっかりだろ、無茶すんな」
『何それ、俺の事甘く見てるでしょ』
ふざけたように言えば爆豪は“はいはい”とでも言うように鼻で笑う。
でも爆豪の言ってることはあながち間違いじゃなくて、本当は少しだけ辛くて、自分の分からない事ばっかりで、一人だけ取り残されたような気分になった。
「何かあったら言え、な」
『…ふふ、うん。ありがとう』
普段は器用な爆豪だけど、話す素振りはどこか不器用さを感じさせた。
向けられた優しさに少しだけムズムズする。
『俺ね、皆のことが好き。緑谷も、飯田も、麗日も、轟も、耳郎も、切島も、爆豪も…みんな大好き。授業もまともに受けてない俺と仲良くしてくれるし…だから俺も皆ともっと頑張りたいって思うんだ』
あの日から空いてしまった空白のスペースを、今からでも埋められるだろうか。
『だからね、もっと強くならなきゃって…思ってるんだけどさ、今からでも間に合うかな?』
いきなりこんな事を喋り始めたけど、急に恥ずかしくなって視線を逸らした。
爆豪はどんな表情で聞いているんだろう、“何言ってんだこいつ”って思ってるのかな。変な奴だって、可笑しい奴だって思われたら嫌だなあ。
「……別に間に合わせなくても良い。Aのペースがあるだろ」
あまりにも予想外な言葉すぎて、それと同時に別の事も起こって頭が追いついてくれない。
突然強く握られた腕、敵連合から救ってくれた時と同じ。俺、爆豪にずっと頼ってばっかりだ。
『爆豪は優しいね。俺、爆豪のそういう所好きだなー』
本当だよ。普段はあたりが強い爆豪だけど、本当は優しいの知ってるから。
「…そうかよ」
爆豪はそれだけ言うと耳を真っ赤にしてそっぽを向いた。
『あは、爆豪は照れ屋だね』
すこしだけおちょくると機嫌が悪くなったのか、ムスっとしながらこちらを向いた
「…勝己だ」
『…へ?』
見た事のないくらいに澄んだ茜色の瞳に、心臓を掴まれた
「名前で呼べよ、友達だろ」
『…うん、ごめんね勝己』
ありがとう、勝己
――――――
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林(プロフ) - レインさん» 半裸待機の方…！他の作品も見て下さって嬉しいです！ (2019年1月13日 14時) (
レス) id: 54c62d0384 (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - シロウさん» コメントに気付かず長らく放置してしてしまってすみませんでした！ストーリーが上手く練れず亀ペースですが、温かい目で見ていただければと思います！ (2019年1月13日 14時) (レス) id: 54c62d0384 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - ホークスさんの人と同じ人だった驚き。 (2019年1月13日 6時) (レス) id: a956189dd3 (このIDを非表示/違反報告)
シロウ(プロフ) - 続き気になります！更新頑張ってください！ (2018年12月24日 20時) (レス) id: 0081c77fec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：林 | 作成日時：2018年11月2日 16時
