深呼吸 95回目 ページ27
『……』
黒髪の少年はもういない
――――――
目覚めは随分と心地が良かった。最高とまでは言えないけれど、それなりに柔らかいベッドで寝ていたらしい。今までずっと座らされていたからか、身体の節々が痛んだ。
ここは昨日までの部屋とは違う部屋の様で、見たところ保健室っぽかった。監視カメラも見当たらないし、壁に目をやれば窓だって付いている。眩しいくらいに輝く太陽が、もう上の方まで登り切っている。
『…あっつ』
エアコンは設置されているものの、電源は入っていないらしい。8月もそろそろ終わりだというのに、暑すぎるったらありゃしない。
窓を開けようと思い、地味に痛む身体を無理やり動かし窓の方へと向かった。窓の鍵を開けようと鍵に手をかけるも肩が地味に痛み初め、窓を開けるだけなのに少し手間取ってしまう。
『情けないなあ…』
思わず口から零れた“情けない”の言葉に、俺は思わず笑ってしまう。窓の鍵を開けるなんて容易く出来るはずなのに、数日椅子に縛りつけられただけでこの有様だ。本当に情けない。
やっと開いた窓から滑り込んできたのは温く気持ち悪い風で、外の温度も部屋とさして変わらなかった。
「あれ、起きていたんですか？」
突然部屋に響いた声に俺は思わず驚き、ゆっくりと扉の方へと身体を向けた。そこに居たのはここ数日ずっと一緒に居た男の人だ。名前は知らない。
「ご飯を持ってきましたが、食べれそうですか?」
『え、まあ、食べれると思います』
「じゃあここに置いておきますね。終わったら検査が有るので、これに着替えて下さい」
ベッドの傍にある机に置かれた食事は割と少な目だったが、まあ妥当な量だと思う。それに検査も控えているのであまり食べるわけにもいかないのだろう。
そしてベッドに置かれた服に目を向ければ、置いてあるのは雄英のジャージだった。はて、どうしてれのジャージがここにあるのだろうか。
『あの、何でこのジャージ…って居ないし』
名前の知らない男の人は忙しいのかそれとも俺とあんまり話したくないのか、いつの間にか居なくなっていた。
『…つまんないなあ』
こんなに静かで寂しいご飯は久々だ。いつもなら切島や爆豪とご飯を一緒に食べていたし、その前は殆ど消太さんと一緒に食べるのが日課だった。
鰹節がかかった冷奴を一口駄食べ、麦茶で喉の奥に押し込んだ。
――――――
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林(プロフ) - レインさん» 半裸待機の方…！他の作品も見て下さって嬉しいです！ (2019年1月13日 14時) (
レス) id: 54c62d0384 (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - シロウさん» コメントに気付かず長らく放置してしてしまってすみませんでした！ストーリーが上手く練れず亀ペースですが、温かい目で見ていただければと思います！ (2019年1月13日 14時) (レス) id: 54c62d0384 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - ホークスさんの人と同じ人だった驚き。 (2019年1月13日 6時) (レス) id: a956189dd3 (このIDを非表示/違反報告)
シロウ(プロフ) - 続き気になります！更新頑張ってください！ (2018年12月24日 20時) (レス) id: 0081c77fec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：林 | 作成日時：2018年11月2日 16時
