深呼吸 88回目 ページ19
「挨拶…出来ますよね?」
『…。』
まだ数日しか経ってないのに
この変わり様は何だ
――――――
side: 相澤先生
遂に来てしまったタルタロス。まさか自分の教え子、子供の様子を見にここに来るなんて、変に緊張してしまう。厳重なチェックをくぐり、昨日雄英に来たタルタロスの担当者に案内された扉の前。先に入って大丈夫ですよ、と言われたので俺一人で部屋に入った。
ガラス板で仕切られた部屋、その向こうには昨日まで傍にいた筈のA。拘束具に全身を包まれ、いくつかの管で繋がれているAは気を失っているのかぐったりと下を向いていた。
「A君!イレイザーヘッドが君のことを心配してここに来てくれましたよ。」
ガラスの向こう側から聞こえたその声、先程の担当者だ。どうやらAに話しかけているようだが当の本人はうんともすんとも答えない。タルタロスに連れてこられてから何があったんだ、普通ならこんな状況に陥る筈がない。
「挨拶…出来ますよね?」
いくら担当者がAに話しかけても、肩を揺さぶっても、頬を軽く叩いても反応が無い。少し目を動かしたがそれでも口を開く様子は一切なかった。
「…A?どこか気持ち悪いのか?」
「イレイザーヘッド、こちら側に音声は届かないのです。すみません。」
…は?何でだ。どうして、どうしてそんな仕組みになっているんだ。俺をこの部屋に呼んだのはAの変わり果てた姿を見せる為だけだっていうのか?一体どういう神経してるんだ?
「……えっと、イレイザーヘッド、あちらの部屋でお話しましょうか。」
担当者は少し焦りながら扉の外を指さしてそう言った。
「A、また来るからな。」
俺は届かないはずのガラスの向こう側に一言だけ投げかけ、部屋を出た。
――――――
「Aに何をした。」
「まあまあ落ち着いてください…話さなければいけない事は沢山有るんです。」
憤りを露にする俺と予想外の事態に困惑する担当者。何が起こっているのか誰か説明してくれ。
「いいから早く話してくれ。」
「どこから話しましょうか…。」
俺よりも幾分か年上に見えるこの担当者は少し悩む素振りを見せ、なかなか喋ろうとはしない。
「A君のご両親の事、ご存知ですよね?」
――――――
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 391人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
林(プロフ) - レインさん» 半裸待機の方…！他の作品も見て下さって嬉しいです！ (2019年1月13日 14時) (
レス) id: 54c62d0384 (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - シロウさん» コメントに気付かず長らく放置してしてしまってすみませんでした！ストーリーが上手く練れず亀ペースですが、温かい目で見ていただければと思います！ (2019年1月13日 14時) (レス) id: 54c62d0384 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - ホークスさんの人と同じ人だった驚き。 (2019年1月13日 6時) (レス) id: a956189dd3 (このIDを非表示/違反報告)
シロウ(プロフ) - 続き気になります！更新頑張ってください！ (2018年12月24日 20時) (レス) id: 0081c77fec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：林 | 作成日時：2018年11月2日 16時
