深呼吸 69回目 ページ32
『ああ待って、嫌だ――』
「…A!ダメだ立て!!耳を塞げ早く!!」
大地が軋んで、同時に脳が揺れた
――――――
とんでもない爆発音と共に姿を現したのは一見敵に見えるが、実はプロヒーローらしい。出来る事なら応戦したい所だけれど超音波の様な音を拾ってしまい、妙に気持ち悪くて切島たちと合流し救助を続けることにした。
「おおA!こっち手伝ってくれ!瓦礫に何人か埋まっちまってる!」
『わかった、今行く!』
耳を澄ませたところ瓦礫同士に異常は見当たらなかったので上鳴と切島に『そのまま瓦礫退けて大丈夫だよ。』と指示を出して爆豪の元へ駆けた。
『大丈夫?人手足りてる?』
「大丈夫だ。それよりお前、鼻血出てるぞ。」
『…ええ!?』
急いで鼻の下に指をやればそれは赤くなり、確かに鼻血が出ていた。爆豪曰く「キャパオーバーしたんじゃねえの。」らしい。救助に必死で全く気付かなかった。個性の都合上無意識のまま発動してしまうので身体が追い付いていないのかもしれない。
何とか鼻血の処理も施しながら辺りを見渡したがHUCらしき人達の息遣いは聞こえない、恐らく爆豪の抱えている人で最後かもしれない。
『早く避難所に運ぼう、敵にやられない前に。』
「そうだな、急ぐか。」
切島と上鳴と合流し、俺達は小走りで避難所へと向かう。しかしその途中、うっすらと拾った音に俺は思わず足を止めた。この音…まさか。
『ああ待って、嫌だ――』
地面に凄い勢いでひびが入り、大地が軋み始める。さっきの試験の時に嫌というほど感じ取った地震の音だ。俺の身体はピクリとも動かず、ただただ腕で自分の事を抱きしめて地面にしゃがみこんだ。頭が割れるかと思うくらいの振動、痛い、誰か俺の耳を塞いで。誰でもいいんだ。
「…A!ダメだ立て!!耳を塞げ早く!!」
俺が隣から消えたのに気付いたのか爆豪が後ろを振り返り思い切り叫んだ。爆豪って本当に頭が冴えてるなあ、少しでも俺の耳を地面から離れさせようと叫んだようだけどそんな叫びは意味ない。だって疲労で身体が落ちちゃうんだから。しかも大地の衝撃は一瞬で広範囲に広がる、どっちにしても助かる道なんてものは無い。
『〜〜ｯあ゛…う、ごめ――』
脳がこれでもかというくらい揺れて、世界がぐるりと回った。ドクドクと血が鼻からまた出るのをはっきりと感じたが、もう自分では止められなかった。
――――――
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狐猫音。(プロフ) - 林さん» どんなふうに進んでも面白いのでやっぱり作者様が進めたいようにするべきですよね！家族愛が深いって羨ましいなあ。読んでて微笑ましくなりました。これからも頑張ってください。 (2018年10月16日 16時) (
レス) id: 1402817ddd (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - 黒猫さん» 嬉しいコメント有難うございます^^いつか絶対番外編作るマンです! (2018年10月16日 3時) (レス) id: 54c62d0384 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - 家族愛でもBLでも良き(*´ω｀*) (2018年10月16日 0時) (レス) id: 77336b66d1 (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - 狐猫音。さん» 貴重なご意見ありがとうございます。しかし元のストーリーは維持して進めていきたいので、他の生徒には補習があったという追加設定のまま進めさせて頂きます! (2018年10月16日 0時) (レス) id: 54c62d0384 (このIDを非表示/違反報告)
狐猫音。(プロフ) - もういっそのこと仮免終わった設定にするとかどうでしょう。更新頑張ってくださいねq(^-^q)応援します。q(*･ω･*)pﾌｧｲﾄ! (2018年10月15日 22時) (レス) id: cef4739b2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：林 | 作成日時：2018年10月13日 15時
