生の証～終わりなんて、ない～【ARS】 (ページ15)

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奈々side

次の日、

『お母さん、今日学園いかないから』

成績は良い為、母親も簡単に了承してくれて、嘘の体調不良の連絡を入れてくれた。

『カズ。どこにいる？』

和《後1分でそっちに着く....って位置くらい分かんだろーが！》

『....あ、そうだった』

6年やそこらこっちの世界にいたくらいですべての機能をマスターできる訳ではない。

しかも、私達の体には50年前の《常識》が刻み込まれてるのだ。

スマホもどき(iスクリーンと呼ぶらしい)を見れば、相手の場所と移動速度まで表示されるという優れもの....を、私は一度も使ったことがない。

ついつい、電話をして聞いてしまうのが、50年前の人間。

和《咲》

『はいはい、りょーかい』

壁に取り付けられたパネルに手を翳し、ロックを解除。

ゲームばかりしてる彼の方が、この電気ばかりの世界に馴染むのは早かったらしい。

JKとして、なんだか悔しいけど。

そして、1分後。

和「行くぞ」

ドアを開けて入ってきたかと思えば、私の手をとって来た時と同じ道を逆戻りするカズ。

『なんでそんなに急いでるの？』

和「...理由はないかな」

無いんかいっ！

『ふーん、まあ良いや。で？』

和「ここから走って5分のとこ」

一言だけで私の言葉の意味を理解した彼が、床を蹴って走り出す。

『鍛えてるね。6歳の速さとは思えない』

和「そう言うお前も俺と同じ速度で走ってんじゃねーか」

『気持ちは18歳なんで』

和「俺も気持ちは嵐の時のまんまなんで」

走りながら顔を見合わせ、笑いあう。

嵐のダンスとストレッチで鍛えた身体を、こんな事に使うとは思いもしなかったけど、ね。

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