生の証～終わりなんて、ない～【ARS】 (ページ12)

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奈々side

雅《咲ー！》

奏(中身は智)と別れて家に帰ってくるとスマホ(仮)に着信が。

その相手は、『雅紀』。

私達だけにしかわからないあの頃の名前で登録してある。

『ちょっとうるさいかな......どしたの雅紀』

雅《あのさ.....》

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俺は、咲と別れてから広間で1人で嵐の曲を練習していた。そしたら近所に住む同い年の男の子が声をかけてきたんだ。

？「この曲は？」

雅「俺らの曲だよ！嵐の！」

嵐が絡むと、俺は人見知りじゃなくなるらしい。

食い気味にそう返したのを聞いて、その子はちょっと笑った。

？「やっぱアイバカさんか」

聞き慣れた口調、見慣れた笑い方。【アイバカさん】、その呼び名。

雅「え、........ニノ？」

和「あたりー、奇遇ですね」

それからなんで嵐の曲なんてやってんのか、と聞いてきたニノに咲のことを説明して。

和「それは凄い。じゃあ残るはおじさんチームと潤くんですか」

久しぶりに話すのに、全く違和感のない会話。

和「1人でいたってヒマなんで。結局ゲームしかしてないし」

雅「これでニノが外で遊んでたら逆に怖いって」

ーーーーーーーー

『やっぱミラクル人間だよ、雅紀は。....私からもビッグニュースがあるんだけど』

雅《え⁉凄い！》

『まだなんも言ってないわ。....智に、リーダーにあった』

雅紀の声のボリュームが3倍くらいになったので(ただでさえうるさいのに)、スマホを耳から離しつつ状況を説明。

『あとは、翔と潤だよ。がんばろ』

雅《うん！じゃあまた明日！ニノの番号送っとくね》

『おけ、じゃあこっちも智のやつ送る』

この世界も便利になったもので、個人個人につけられた番号を知ることで、相手の持つスマホと連絡が取れるらしいのだ。

ちなみに、アルファベットとひらがなと数字を組み合わせたその番号は推測しようと思っても中々困難らしく、今のところ情報流出などの被害は起きていないそう。

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