うさぎ。【菊地原士郎】

うさぎ20 ページ20

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「それで……なんで轢かれたの？
風間さんは押されたって言ってたけど」

『前のチームの人達が……………
風間さんの事とか菊地原くんのこと
馬鹿にしたから謝ってって
怒ったら……押し飛ばされちゃった。』

「ふーんじゃああいつらしけーだねー」

『ダメだよ』

「お前は黙ってて」

『菊地原くんが犯罪者になったら
私………死んじゃう。』

「はぁ？なんで死ぬわけ」

『…………寂しいから……』

「は」

『わたし………うさぎだから………』

彼女は真剣に言っていた。

『菊地原くんがいないと寂しい。』

「あっそ」

プイっとそっぽを向いているが
完全に耳が赤い菊地原。


「でもまあ 今回のでよくわかったでしょー」

『？』

「お前は僕がいなきゃダメだってこと」

『…………うん………』

「あの気持ち悪いB級は風間さんたちがなんとかするだろうし。」

『………私もはやく治したい。』

「しばらくここにいなよ」

『なんで？』

「その方がいい。誰にも何もされないし」

『………風間さんたちに会えないの嫌』

「なに？僕じゃ不満なわけ？」

『菊地原くんも大好き。』

「は………っ！？」

なにこいつ！？な目である。

『………………嫌？』

「別に嫌じゃないけどソレ、僕にしか言っちゃダメだから。」

立ち上がり、

『………風間さんとか歌川くんには？』

菊地原はベッドにすわった

「みんなに言うつもりなの？傲慢だね。」

『……………………ごうまん。』

Aの頭を撫でる手

「なんのためにトロイお前に
僕が構ってきたと思ってるわけ」


その手は優しく頬に移動する。

『………わかんない。』

「はぁ。」

でも彼は いつものように
本当馬鹿だね とは言わなかった

「誰にも触れさせない為なんだけど」

『………うん………』


確かに彼がいる間 誰にも
余計なことをされたり触れられたりしなかった


「いい加減気づけよ」

直後 Aの唇に触れたナニカ

「………僕のってこと。」



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