12波 ページ24
「聞いたよ。お前、また北斗への告白、邪魔したんだって？」
昼休みも終盤。さっきまで、合流した流れで3年生組二人とご飯を食べ教室に帰ってきて早々。ジェスに捕まった。その表情はニヤニヤしており、少しだけイラっとしてしまった。
「邪魔したくてしたんじゃない。体が勝手に動いちゃった結果！」
と、これまたいつものお決まりを口にすれば、AHAHAHA！！と大声で笑われる。うるさいな〜。
「お前さ〜、体が勝手に邪魔するくらい好きなら、はやく告りなよ」
「無理に決まってんじゃん。北斗は昔の約束を守ってくれてるだけ。私の事、別に眼中にも無いよ……」
「それ、本気で言ってんの」
途端、ジェシーの周りの温度がグンッと下がった気がした。
本当に、用心棒の父親の影響を受けすぎでしょ。高校2年生でここまで殺気の出し入れが自由な人、普通居ないよ？こうなったジェシーは素直に謝るまで、ずっと牽制を掛けてくる。
「ごめん、嘘。北斗からの気持ち、分かってる。私の意気地が無いだけ」
「うん。別に北斗のこと、Aがどう思うかはAの勝手だよ。でも、北斗の気持ちを分かった上で否定するのはダメだよ」
たった数ヶ月生まれが違うだけで、人はこうも大きくなれるのか…、とジェシーからお説教を食らうたびに思う。それほどジェシーの言葉は温かく、優しい、他人のための言葉を使う。だから、素直に従ってしまう。
「ま、一個下の編入組もそろそろ手を出しちゃいけない二人って周知するころだろ。しかも〈北斗とAのファンクラブ〉の皆も牽制や注意に周ってるんだって」
「は？！なにそれ、知らない」
「らしいよ。だから、『今年は結構らく』って慎太郎が言ってたし、俺もそれは実感してる」
ジェシー以外は知らないと思ってるが、北斗に近づきそうな女の子、または近づいた女の子は【監視対象】として、樹、ジェシー、慎太郎の三人で徹底して遠ざけたり、北斗も必要以上に関わらないを徹底してくれているみたいで。
なんだか申し訳ないな、と思いつつも『私に安定した学校生活を送ってもらうことが我々の仕事なので』と良い顔でジェシーに告げられた日には、え？それだと私、色恋にうつつ抜かしてるみたいじゃない？なんて些か疑問に思ったが、今ではもう好きにやらせている。
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甘味(プロフ) - 、さん» ご指摘ありがとうございます！すみません、外したつもりだったのですが、付いたままだったようです。気をつけます…。 (2020年8月22日 3時) (
レス) id: 924e205136 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶餡蜜 | 作成日時：2020年8月22日 3時
