episode.284 ページ10
グリムの質問に対して、互いを見ながらしどろもどろになるスカラビア寮生達。
ジャミルも言いにくそうな表情をしているので3人はさらに不思議に思う。
すると、何人かの寮生達が小声で話し始めた。
寮生「スカラビアは全員、寮長の命令で………」
寮生「帰りたくても帰れないというか………」
ユ「帰れない?」
ジ「シッ、止めないかお前たち。元はと言えば俺達の責任だろう」
「?」
ジ「さ、料理が冷めてしまう。早くスカラビアへ向かおう。スカラビアはいつでも夏のように暖かい、ちょっとした南国気分が味わえると思うぞ」
グ「やっほー!そんなの楽園なんだゾ〜♪ユウ、コトハ早く行こう!」
「……………………」
ユ「行きたいのは山々だけど……コトハちゃんが風邪引いちゃったみたいだし……やっぱりオンボロ寮に帰ろう」
グ「ええ〜〜〜〜!?」
《……せっかく、ジャミル先輩が誘ってくれたんだしグリムくんも行きたがってるから2人で行ってきて》
ユ「え、でも………」
《私は1人で大丈夫だよ》
グ「コトハもこう言ってるんだしコイツの分もオレ様が食べまくってやるんだゾ!」
ユ「ちょっとはコトハちゃんの心配もしなよ!!」
ジ「…………………………」
そんなやり取りをしていると、ジャミルはじーとその光景を見つめていた。
すると、彼はユウと言葉の前に立ちニコッと笑う。
ジ「こう言ってはあれだが、オンボロ寮は隙間風も吹くんじゃないのか?休むならスカラビア寮でゆっくり休むといい」
「!」
ユ「いいんですか?」
ジ「ああ、空き部屋もあるし料理が重いなら粥も用意しよう」
《でも……会ったばかりで色々お世話になるのも……》
言葉はそう思うも、まだジャミルには自分の言葉が伝わらないのでユウの裾を掴んで彼にそう伝えてほしいと言うと、ユウも頷いてジャミルの顔を見た。
ユ「会ったばかりなのにそこまでしてもらうのは申し訳ないので、とりあえず僕らは一旦オンボロ寮に戻りますね」
コク、コク
ジ「そんなに気を遣わなくていい、寮長もきっと君たちを歓迎してくれるさ。スカラビア寮に………来てくれるな?」
パァアア!!
(あ……れ………?)
ユ「…………はい」
…………コクリ
突然、目の前がモヤがかかったようになり気づけばジャミルの言葉にユウと共に頷いていた。
ジ「君たちを招待できて嬉しいよ、ユウ、コトハ……さあ行こう、スカラビアへ」
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るーるる(プロフ) - 橋本アリィちゃんさん» 初めまして!コメントありがとうございます!!誤字脱字が多い作品ですが面白いと言っていただけて嬉しいです(*´ー`*)これからもよろしくお願いします!! (2022年6月4日 19時) (レス) id: a237b45332 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します!とても面白かったです!続きを楽しみに待っています!(*´ω`*) (2022年6月4日 18時) (レス) @page14 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
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