歪みの国の少年少女３

真紅の暴君 72 ページ24

完全に腰を抜かしたらしい、リドルが座り込んでしまうとトレイがAを睨みながらリドルの前に立つ。

ト「お前何者だ！？」

「(何者…ヤバい、何も考えてなかったな。そうだ)ワタシはいちごタルトの使い魔だよ☆(超クソ高音)」

リ「い、いちごタルト？」

ト「リドル！そこに食いつくな！……ハッ！もしかしてお前最近ここらで噂になってるウサギの格好をして小さい女の子にお菓子とかぬいぐるみで釣って連れ去ろうとするド変態だな！！」

リ「ええ！？」

「……確かにそれはド変態だな、どこにいるんだソイツ」

ト「だからお前だろ！」

リ「ふ、ふぇえ……ボク、女の子じゃないよぉ……」

(あ、そこで泣くんだ)

ガバッ

チェ「ふふ〜ん♪中々良い触り心地♪」

ト「チェーニャ！？早く離れるんだ！！」

(コイツ、しばらく喋らないと思ったら)

必死に友人を庇うトレイと女の子という単語に泣き出すリドル、そして今まで静かにしていたチェーニャに抱きつかれ立ち尽くす白ウサギの着ぐるみ。

なんともカオスな状況にAはしばらく考え考えゆっくり口を開いた。

「リドルくん(超クソ高音)」

リ「な、なんでボクの名前……」

「周りの声を聞いてみてもいいんじゃないかな？」

リ「え……(あれ？声変わった？)」

「君はとても真面目な子、お母様の教えを守るのは素敵な事だよ。でもそれは全て正解ではない」

リ「！ママ……お、お母様の言うことは全部正しいんだよ！」

「周りの声を聞いてみて」

リ「！」

「リドルくんの事を思う人はお母様だけじゃない、今はわからなくてもわかる日が来るからね」

リ「…………うん」

「じゃあワタシは帰るよ(超クソ高音)」

チェ「どこに？」

「いちごタルト王国(超クソ高音)」

ト「いちごタルト王国！？いちごタルト限定！？」

「それじゃあ良い子のみんな！怪しい奴を見かけたらすかさず通報するか急所を殴って気絶させるんだよ☆(超クソ高音)」

ト「どんな去り方だよ！つか怪しい奴ってお前だ！！」

パアァア！！

ト「ま、待て！あ、け、警察に連絡！」

チェ「おお！消えた！」

リ「……周りの声………そっか」

トレイが焦りながら警察に連絡し、消えた着ぐるみに感動するチェーニャを見てリドルは先程言われた言葉を思い出して小さく微笑むのだった。


パアァア！！

ト「ーーーーーーリドル！！！」

「んあ？」

真紅の暴君 73→←真紅の暴君 71

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す