熱砂の星２ (ページ33)

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星76 ページ33

(そう言えば、ジャミルってカリム以外のお友達いるのかな？)

ーナイトレイブンカレッジー

ジ(はあ……サバナクローの妨害があったのに関わらずマジフト大会でスカラビア寮は最下位………情けない………)

ジャミルが夜に襲われた翌日、マジフト大会は無事……とは言い難いが終了しスカラビア寮は最下位になってしまった事を思い出しては腹を立てる。

ジャミルに怪我を負わせた犯人はサバナクロー寮の同級生である事がわかり、その理由もサバナクロー寮がマジフト大会で優勝するために各寮の主力選手を狙っての事だという。

だが、そこまでわかっていても最下位という結果にジャミルは深いため息をついた。

ジ(こういう時、ステラに話を聞いてもらいたいのに……)

？「お〜い！ジャミルく〜ん！」

ジ「？ラギーか」

最近、中々会えないステラの顔を思い出していると後ろから名前を呼ばれて立ち止まっては振り返る。
名前を呼んだ人物、サバナクロー寮の2年生であるラギー・ブッチが手をふって走ってきた。

ラ「やっと見つけた、あちこち探し回ったんスよ」

ジ「探し回ったって俺に何の用だ？」

ラ「ここじゃあちょっと………とりあえずひと目のつかない場所に移動しましょうッス！」

ジ「…………………………」

ラギーは周りをキョロキョロ見た後、ジャミルを人通りが少ない場所へ連れて行こうと誘導する。
一瞬、彼を見て眉を寄せるジャミルだったが今は何もしてこないだろうと思い彼の後をついていく。

2人でしばらく歩いていき、影になっている場所を見つけるとそこで向かい合わせになる。

ラ「ここなら大丈夫ッスね」

ジ「それで？コソコソ隠れないと話せない事があるのか？マジフト大会でお前にやられた怪我の謝罪なら大会の終わりに何度も聞いたがな」

ラ「もう、ジャミルくんは意地悪ッスね！ちゃんと謝ったでしょう！！ごめんなさい！！」

実は、以前スカラビア寮でジャミルを襲ったのは目の前で頭を下げて謝罪をするラギーだったのだ。

マジフト大会の終了の後、各寮から制裁をくらったサバナクロー寮の寮生達はスカラビア寮を含めた他寮に謝罪をしていた記憶は今でも残っている。

そんなラギーが今さら何のようだろうと、首を傾げていると彼は言いにくそうに口を開いた。

ラ「いや〜……偶然とは言え、あんな光景を見ちゃったらねえ……」

ジ「何が言いたい？」

ラ「誤魔化しても意味ないんでハッキリ言いますけど………」