評価泥棒

通知一件 ページ2

きっかけは、亜空の誘いだった。

私と亜空は"占いツクール利用者"という共通点がある。

そのお陰で、私は東京から静岡に引っ越してきた亜空と仲を深めることが出来た。

でも私はあくまでも読者側(・・・)であり、作者側(・・・)では無かった。

それを知った亜空は、"一緒に小説を書いてみない？"と誘ってきた。

私は悩みに悩んだ。

簡単にうん、とも首を縦に振れないし、嫌だと横にも降れなかった。

理由は二つある。

一つは占いツクールのコメント欄でのアンチだ。

読者側として小説を読んでいた頃。

コメント欄で指摘を書こうとしたときに、コメント欄が荒れていたのだ。

その作者さんは必死になって一人一人にレスを返していたが、暫く経ってその作品は更新されなくなった。

終いにはその作品は削除されてしまった。

確かに、評価するのは私たち読書の勝手だが、それを悪い方向に持ってくのはいくらなんでも可哀想な気がする。

でもその辛辣な評価は正しいことを言ってるのだから結局は何とも言えない。

逆を言えば、「凄い」とか「感動した」とか、そういうコメントは信憑性を疑ってしまう。

本当に思っている人もいるんだろうけど、皆が皆じゃないし、口先だけで作者を讃えている人が中には存在するのではないだろうか。

そう、私みたいに。

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