第十七話 ページ18
「諦めちゃうの？」
「……え？」
絶対出ない単語が、偽物の口から紡ぎだされた。
＿＿何を言ってるの？
ﾊｯとなって顔をあげると、そこにいたのは私の偽物なんかじゃなくて芹那だった。
「…………芹那？」
「正確には偽物ね」
偽物の芹那は、さっきとは違った笑い方をして私のベッドに腰を下ろした。
「簡単に諦めちゃAちゃんの偽物の思うつぼだよ？いいの？」
「もうなるようになればいい、って思ってるから。あと、芹那は私をちゃん付けしない」
「気分だって！」
足をブラブラさせて陽気に笑う偽物…………。
芹那そっくりだ。
それに比べて私は＿＿。
「……助言、とまではいかないけど、あんまり他人と比べちゃ駄目だよ。AちゃんはAちゃんのやりたいようにすればいい。自由に生きればいい。偽物なんかに負けないで」
口だけだと感じられたが、自然とその言葉が私を暖かく包んだ。
「毎回Aちゃんを生き返らせるの、大変なんだからね？」
「……芹那……の偽物が私を生き返らせてたの？」
「そうだよ？じゃないとあっちの芹那が困るから」
芹那の偽物はそう言うと、立ち上がった。
徐々に姿が消えていく。
「そろそろ帰るね。ここに長居は無理みたい。Aちゃんの偽物が来るから＿＿」
「どうすればいい？私は……」
芹那の偽物は少し考える素振りをして、こう答えた。
「自分の意志を押し通す＿＿。」
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寧夏(プロフ) - 作者様の作品大好きです！新作出るのかな？新作待ってます！大好きです！ (2020年3月15日 14時) (
レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
いあ - すごく面白かったので評価させてもらいました!私も小説を書いているのでとても参考になります♪偽物にはご用心、ですね笑 (2018年10月2日 22時) (レス) id: a74bbf0711 (このIDを非表示/違反報告)
仮面ネコ - すっごく、面白かったです！ (2018年8月31日 17時) (レス) id: 4ad8182519 (このIDを非表示/違反報告)
38@2033(プロフ) - 日波輪廻さん» まだまだ未熟者です（−＿−；）これからも更新頑張ります。コメントありがとうございます。 (2017年3月15日 20時) (レス) id: 4a82a00d53 (このIDを非表示/違反報告)
日波輪廻(プロフ) - 読みました｡とっても素敵な文ですごいです！！主催者(私)より上手いですね！←← (2017年3月13日 6時) (レス) id: 2dbf9d3e38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：38@2033 | 作成日時：2017年2月12日 20時
