兄が嫌いなので白鳥沢に来たら、兄が嫌いな若利君に気に入られた

１４日目 ページ16

『買い物、終了！！』



水着と、合宿に足りないものを買いだし寮に帰る俺と賢ちゃん



｢後は、合宿当日頑張るだけだな
お前、寝坊すんなよ｣



『しないよ！
俺、良い子だから』

｢良い子は、毎日太一に髪結んで貰ったりしません｣

『それは、太一がやってくれるんだもん！』


｢だもんってなんだよ｣



呆れながら笑う賢ちゃん

それと一緒に俺も笑う



ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾌﾟﾙﾙﾙﾙ



そんな中、俺達の笑いを引き裂くかのように携帯の着信音が鳴る


『あ、俺だ
…げっ、母さんからだ』



液晶画面に表示される〔母〕の文字



『…もしもし』

〈あ、A
久し振り〉



『久し振りだね、母さん』



少し、声がこわばる
当たり前だ

母さんは、俺が憎いらしい



〈A
明日は、部活休みなの？
放課後、会えないかしら〉



会う？
今更なんのようだよ


『明日は、テスト返却だから部活は無い』

〈なら、明日
白鳥沢の近くの喫茶店で待ってるわ〉



ブチッと、一方的に切られる電話



「A、大丈夫か？」


『大丈夫だよ、賢ちゃん』






この時、俺はちゃんと笑えていたのかな？

１５日目→←１３日目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す