君と私の恋愛日記 second (ページ22)

今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:31,415 hit

紳士な気持ちページ22

気付けばもう5限が終わる時間帯。
未だに私は、ノーマンさんに抱きついたままだった。

ﾉｰﾏﾝ「もうすぐ5限も終わるし、他の生徒がここを通るかもしれないね。」

そう。私達は未だにノーマンさんが扉を蹴破った部屋にいて、廊下からこの部屋の中は丸見えだ。
私はハッとすると、勢いよくノーマンさんから離れた。ふふっと笑うノーマンさんは悪戯な笑みを浮かべている。

ﾉｰﾏﾝ「じゃあ5限が終わる前に家に帰ろうか。Aの鞄も取ってくるから、靴箱で待ってて。」

『大丈夫です！自分で持ってこれます...！』

慌ててそう言うと、ノーマンさんは笑顔で、

ﾉｰﾏﾝ「僕がしたいんだ。だから遠慮しないで。エマの隣の席だよね？」

黙って頷く。
なんて紳士的な...。そんなこと言うから...優しいから王子なんて呼ばれるんですよ？と心の中で呟く。
しかし、これ以上ノーマンさんの手を煩わせる訳には行かない。そう思い、でも...と言葉をかけると、

ﾉｰﾏﾝ「いいからいいから。」

そう言って、靴箱の方へ背中を押される。
私は申し訳ないな...と思ってノーマンさんに提案をする。

『じ、じゃあ、持ってきて頂く代わりに何か御礼がしたいです。何か私にして欲しいこととかありませんか？』

エマから言われた言葉。
【ノーマンさんにして欲しいこと】
ノーマンさんにして欲しいことは、守って欲しい。現に守ってくれた。今度は私がする番。

うーん。とノーマンさんが悩む素振りをする。

ﾉｰﾏﾝ「うん、分かった。じゃあ帰る時に言うよ。」

すると教室の方へ歩いて行った。
ノーマンさんは私に何かして欲しいことがあるらしい。
言ってみて正解だった。
ノーマンさんの為に何か私ができることがあれば嬉しい、そう思った。

数分してノーマンさんは自分の鞄と、私の鞄を持って靴箱に来た。
お待たせ。そう言うと、続けて

ﾉｰﾏﾝ「また居なかったらどうしようかと思った。」

『も、もう二度とノーマンさんとの約束は破りません！』

ﾉｰﾏﾝ「そうしてくれると助かるよ。」

そう言って笑顔で私に言う。
帰ろうか。とノーマンさんが言って、私は二つ返事を言い、学校を出る。