1話 ページ2
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「…い、おい、起きろ」
『っ、はっ…』
小刻みに体を揺さぶられて私はぼんやりと意識を浮上させる。やけに聞いた事のある声がするな、と思いながら目を開ければ整った顔が視界いっぱいに広がったので思わず目を見開いた。
誰だ、この人。私昨日…ああ、家の中に倒れていた不思議な人だとすぐに思い出す。アルコールがまだ残っているので少し頭が痛んだが、それには気づかないふりをした。
『あ…目、覚めたんですね。良かった』
「…良かった？」
そう言いながら起き上がれば、私のベッドの横にいた彼は怪訝そうに眉を顰めた。
なんだろう、何か悪い事でも言ってしまったのだろうか。寝起きでまだぼんやりとしていたが低い声が部屋に響いて目が完全に覚める。
「目的は何だ」
『…目的？』
「俺に使った空間移動の魔法と、魔法を使えなくする魔法を教えろ」
『な、何を、』
どん、と壁に片手をついたので驚けば、私の退路を塞いだ本人は口元に笑みを浮かべた。
魔法？魔法って何だ、漫画の中の話か何かだろうか。いやでもこの人は至って真剣でふざけているようには見えない。
言語が通じているのに話が通じていないこの状況に目眩がしそうになるが、私は頭の中を整理しようと口を開いた。
『あ、あの何か勘違いされてると思いますけど、貴方は昨日この部屋の廊下に倒れてたんですよ』
「アンタが魔法で気絶でもさせたんだろ」
『さっきから言ってるその…魔法って何ですか？』
「…は？」
今度はまるで意味が分からない、と言うように目を見開く彼に、やっぱり警察に突き出せば良かったと後悔する。こんな変な人うちで倒れてるなんておかしいと思ったのだ。顔は良いが、言動が酷すぎる。まるで自分は異世界から来たような素振りだ。
「…ここはどこの国だ」
『日本、ですけど』
「ニホン？そんな国、見た事も聞いた事もないな」
『えっ…』
流石に日本に来た外人ならこの国の事は知っているだろう。それなのに見た事も聞いた事もないだなんて。これは本格的に雲行きが怪しくなってきた。私の頬に冷や汗が流れるのが分かる。まさか本当に異世界から来た、と言いそうな雰囲気に声が震えた。
『西暦、今は20××年ですけど』
「西暦？西暦って何の話だ」
『どうやってこの部屋に来たかは…』
「知らねぇ」
『魔法は使えない、空想上の話だって言ったらどうしますか』
「頭がイカれてるとしか考えられねぇな」
…どうしよう、異世界からトリップしてきた説が濃厚だ。
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綾兔 - 彰也さん» 消化ありがとうございます！やっぱり毎話毎話ヴィアベルと夢主の掛け合いが最高です！尊敬してます！それと、完結おめでとうございます！この小説は本当に大好きで、毎回楽しみにしてました！他の作品も頑張ってください！応援してます！ (5月7日 21時) (
レス) @page35 id: 837e222f3a (このIDを非表示/違反報告)
白黒名 - 完結おめでとうございます！ヴィアベル大好きな私は、この作品から色々な栄養をもらっていたので、「冬のきま ぐれ」には感謝の気持ちでいっぱいです！他の作品の執筆にあたっても頑張ってください！応援しています！ (5月4日 23時) (レス) @page42 id: ee8aa02a3c (このIDを非表示/違反報告)
夜凪アリサ(プロフ) - 毎日楽しみにしていた冬のきまぐれ、終わってしまって少し寂しいですけどまた、いつか続き楽しみにしていますね！素敵な作品を作ってくださりありがとうございました！本当にお疲れ様でした！ (5月4日 23時) (レス) @page42 id: 4a128355b0 (このIDを非表示/違反報告)
彰也(プロフ) - 綾兔さん» コメントありがとうございます！ちょうど告白じみた事を夢主がやってしまって〜のくだりをしようとしていたのでリクエスト消化しました！どうでしたでしょうか、、？喜んでくれれば幸いです〜またのリクエストお待ちしています！ (4月28日 21時) (レス) id: 8516ee2748 (このIDを非表示/違反報告)
綾兔 - もうほんとに大好きです！ヴィアベルがかっこいいし、お話が面白くて毎回楽しいです！あの、できたらで良いんですけど、夢主がお酒飲んで酔ってて、ポロっと告白(？)しちゃうって言うのをみてみたいです！これからの展開がめちゃくちゃ楽しみです！応援してます！ (4月28日 11時) (レス) id: 837e222f3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彰也 | 作成日時：2024年2月3日 0時
