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64話 ページ16









次の日の放課後。


昨日作業をサボったから、今日は私と流星だけでボード作成をすることになった。



田中さんたちには迷惑ばっかりかけてるなぁ…と反省していると





流星「あれ、聖菜?」



前を歩いていた流星が作業場に聖菜ちゃんを見つけて、不思議そうに立ち止まった。




聖菜「も〜、お兄ちゃん!来るの早すぎやって!」



そう、流星を睨みつける聖菜ちゃんの隣にはあの子の姿。



流星「別にいつ来てもええやん。てか、今日サッカー部あるやろ。お前こそ来るの早ない?」


聖菜「最近ずーっと雨やもん。室内練習の時はマネージャーいなくてもええの。」


そう答えた聖菜ちゃんに、ほんまか? なんて笑ってる流星。




だから、あの時も

サッカー部があるはずなのに聖菜ちゃんはここにいたんだ。




聖菜「せっかく愛美と作戦立ててたのに、台無しやん!」


流星「なんの作戦やねん。笑」




作戦…か。


大毅に告白するための、かな。




ちらっと彼女を覗き見ると


顔を赤くして照れ臭そうに俯いている。





あぁ…まただ。


胸のあたりが、チクチク痛む。



いつもと違う、と感じるのは


彼女が由紀に少しだけ似ているから…かな。



ふわふわで、可愛い系。


守ってあげたくなるような女の子。




だから、もしかしたら大毅が


彼女の告白をOKするかも…って


思っちゃうのかな。






流星「…A、大丈夫か?」



無意識のうちに俯いていた私に、流星が優しく背中をぽんぽんしてくれる。



「…うん、大丈夫。」



最近サボりすぎだから

今日はちゃんと作業しないと。




たとえ、大毅とあの子が隣で仲良くしてても。






昨日見た時よりもはるかに進んでいる私たちの団のボード。


ここまで仕上げてくれた田中さんたちに感謝しつつ、最終段階に入っていく。




一応下書きはしてあるから、私たちはその通りに色を塗るだけなんだけど。



けど、思ってたよりも迫力のあるいい仕上がりになりそうで


完成するのが待ち遠しくなってきた。




体育祭まで残された時間は少ないけど、


最後まで全力でがんばろうと思えた。





流星「すっごいな、俺らの団!もうこれ優勝やろ!」



私たちのボードを見て興奮気味の流星。



「優勝、できるとええな。」



だけど、本当は…体育祭が来ないでほしいと思う自分もいて。








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作者名:ホワイトモカ x他1人 | 作成日時:2019年9月27日 0時

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