22話 ページ23
…
1時間目の古典の授業。
この授業のおじいちゃん先生は寝ていても注意とかしないから
今日も安定に眠りにつこうとしたその時……
カサッ
と音がして、隣の男子から手紙が回ってきた。
何やろう？
不思議に思いながら紙を開くと…
『 やっぱり智洋と付き合ってるやん 』
そんな文字と共に怒った顔文字が書かれていて。
思わずくすっと笑って遠くの席の望を見れば…
拗ねたような顔でこちらを見ていた。
私は望の文字の下に
『 付き合ってへんって！笑 』
と書き込むとまた隣の男子に お願い、と紙を渡した。
数分して、返事が返ってきて。
『 だって昨日2人で手繋いで帰ったやろ！俺を置いて！！ 』
さっきより怒りが増した顔文字を見てまた思わず笑みが溢れる。
『 昨日はほんまにともと約束してたんよ。ごめんな？今日は一緒に帰る？ 』
ニコちゃんマーク付きで返事を書いたら
数秒もしないうちにまた紙が回ってきて。
『 帰る！絶対！約束やで！！ 』
興奮気味のその返事に望の方を見れば
満面の笑みで私を見つめていて。
私も微笑み返せばちょっと照れたように視線を逸らした。
一緒に帰るなんていつものことなのに
何がそんなに嬉しいんだろう？と思いながら
退屈だなぁと窓の外を眺めれば
「あ、崇兄…」
幼馴染みのお兄ちゃんが体育をしていて。
最近会ってなかったなぁなんて思いながら
崇兄がサッカーしてるとこ初めて見たかも、とちょっと嬉しくなった。
小さい頃からバスケ少年で
今ではバスケ部のキャプテンをしている崇兄。
昔から本当のお兄ちゃんのように接してくれて
今でも大好きなお兄ちゃんだ。
崇兄、足速すぎて逆にパス取れてないやん、なんて面白がっていると
「あ…」
崇兄と同じクラスの凛ちゃんの姿を見つけて。
凛ちゃん、運動神経抜群だから
サッカーも上手いんだなぁと感心した。
凛ちゃんは知宙のお姉ちゃんで
サバサバしてるけど面倒見が良くて昔はよくお世話をしてもらってた。
知宙と凛ちゃんは美人姉妹って有名だけど
性格は真反対。
だけどバスケが大好きなところは一緒で…
凛ちゃん、中学の頃バスケ部のエースだったのに
中3の時大事な大会前に怪我をしたせいで
バスケを辞めてしまった。
今でも、もったいないなぁと思う。
あの時、怪我をしていなかったら
凛ちゃんは今頃どうなってたんだろう。
…
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作者名：ホワイトモカ x他1人 | 作成日時：2019年2月21日 20時
