17話 ページ18
…
流星「みーっけ。」
「きゃあっ！！」
…本当に
いきなり上から声をかけてくるのやめてほしい。
流星「何やねん、そのおばけでも見たかのような反応。」
「いきなり話しかけてくるからやろ！！」
休み時間、廊下を歩いていたら突然後ろから姿を現した流星。
あんた無駄に背高いんだから、いきなり現れたらびっくりするでしょ。
「で、一体何の用？」
何もないのにこいつが私に絡んでくるわけない。
流星「ん〜？」
こんなやり取りをしてる間にも、周りからの視線が痛い。
きっと私は彼らの中で
智洋と付き合ってるくせに流星とも仲良くしてるビッチ とでも思われてるのかな。
けどちょっと喋ってるくらいでそんな風に思われたら堪ったもんじゃない。
流星「お前さぁ…ほんまは付き合ってないんやろ。」
わざと周りに見せつけるかのように耳元に顔を寄せて呟く流星。
…こいつには何でもお見通しってわけね。
「だったら何なん？流星には関係ないやろ。」
なるべく距離を保ちたくて一歩下がろうとするけど
彼は私を離す気は無いらしい。
流星「智洋と付き合ってるって噂流すくらいなら、俺と付き合ってることにすればよかったのになぁ」
腰を引き寄せられて逃げられない。
本当に、何がしたいわけ…？
「別に、私が噂流したわけやないし！」
流星「けど否定しないってことはそういうことやろ？目の前で噂が広がっていくのを止めないってことはさぁ。Aが噂流してるも同然やんなぁ？」
その顔、嫌いだ。
片方の口角を上げてニヤつくその顔が。
憎たらしくて捻り潰したくなる。
流星「智洋、かわいそー。」
「…は？」
さらに私に近付いて、その憎たらしい口元を私の耳に寄せる。
流星「否定しない。だけど肯定もしない。そんなの、生殺しやろ。悪いコやなぁAちゃんは。」
唇が触れるか触れないかぐらいまで顔を近付けて
最後にフッと鼻で笑うと去って行った。
…言われなくても、わかってる。
私は智洋の気持ちを弄んでる。
だけど付き合っているのか聞かれて否定しないのは…
今の関係を壊したくないから。
否定して彼が私から離れていくのを黙って見てるなんてできない。
それに今はこんな状況だし
私には智洋しかいないから。
大毅だってきっと…
こうなることを望んでたんでしょ？
私は去って行く流星の背中に
軽く舌打ちをした。
…
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作者名：ホワイトモカ x他1人 | 作成日時：2019年2月21日 20時
