この恋、難攻不落につき。 (ページ17)

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16話ページ17

…

最近、教室にいるのが息苦しい。

みんなにヒソヒソ噂されているのがわかるし

望とは気まずくて喋ってないし

それによって望が由紀のところへ行くから彼女の優越感に満ちた態度が見てて苛々するし

大毅とも相変わらず喋らないし

よって私は休み時間になるたび隣のクラスへ逃げ込んでいた。

でもそうすることによって、また……

智洋「…A、また来たん？俺はええけど、またみんなに噂されんで？」

私たちのツーショットを見て騒ぎ出す周りの子たち。

けど、今はそんなのどうだっていい。

安心できる居場所さえ確保できれば、それで。

それに智洋だって

付き合ってるのか聞かれるたびに私が否定しないのを見て

満更でもなさそうな表情をしてるの知ってるんだから。

「私が来るの…嫌？」

答えなんてわかりきってるけど

智洋「そんなわけないやろ！…むしろ、俺は嬉しいし。」

その反応を見て安心したいだけ。

彼は私のことが好きなんだって

確認しておきたいだけ。

大毅に想われず

望とも気まずい今

誰かに必要とされてるって感じたかった。

智洋「…けど、Aは迷惑やないん？俺とあんな噂されて…」

「迷惑なわけない。私の方こそ…ごめんな？とも、こんな噂嫌やんな。しかも私とだし…。だけど今は教室に居づらいから、一緒にいてくれたら嬉しいな…。」

智洋「俺こそ、迷惑とか思ってへんから…！俺でよければずっとAの側におるよ。俺が、Aを守ったるから…」

あの日、智洋の腕の中で号泣した日から

智洋は私を守ると言ってくれる。

泣いていた理由は聞かずに

ただ側にいると…。

こんなに優しい人なのに

私は……………

智洋「今日、一緒に帰れる？」

「へ？」

智洋「俺部活やねんけど…待っててくれたら、クレープ奢ったる。」

「クレープ？」

智洋「悩んでる時は甘いもんが一番やろ？俺美味しい店知ってんねん！」

こんな私だけど

今だけは、貴方のその優しさに……

甘えてもいいですか？

…