陽だまり

始まり ページ3

いつからそういう意味で渉を好きなのか、それはわからない。
けど、きっかけとして思い当たることはいくつかあった。




まず一つ目は、かなり昔になるけど、渉とキスしたこと。


キスと言えるかわからないようなものだけど、最初は酔っ払ってだった。


渉がキスしたがって、俺はそれを嫌がった。
けど渉があんまりしつこいから、結局した。
その時、気持ち悪く感じるかと思ったら全然違った。


今までのどのキスより幸せに感じた。
キスして「わかる」って、動物的な本能みたいだなと思った。


まあ、その時には既に仲が良かったし、深くは考えずにその場は終わった。




そして二つ目は、俺が見た夢。
これは何年前だろう。
確か三年前くらいだったと思う。


夢の中で渉に襲われた。


俺のベッドに押し倒された。
そのまま渉が俺のジーンズを脱がした。
そしてキスをしてきた。


夢はそこまでだったけど、すごく怖かった。
夢の中の俺は必死に渉を止めた。
半泣きだった。


起きて「なんちゅー夢見てんだ」と思った。
渉に申し訳なくも思った。


そしてこの時、わかった。


俺は渉を好きで、それは友情の最上級だと思っていた。


けど、渉に求められて嬉しいという気持ちが、起きてもしばらく心を満たしていた。

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