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お母さんが玄関に出たと思うと
「上がって上がって〜」
ってお客さんを家に上げる声が聞こえた
えっ。
ちょっと待って
私寝起きのままだし
パジャマなんだけど
慌てて
ソファーの周りにある自分のものを持って
二階に上がろうとする
ガチャっと扉が開き
お母さんが入ってくると
スーツを着て折り菓子を持った
高嗣の姿があった
「…高嗣…」
手に持ってとスマホが
ソファーの上に落ちた
お互い何を話そうか
そんな空気が漂う
「もも！
あんたいつまでその格好なの！
二階堂さん来てくれたんだから
早く着替えて来なさい！」
私たちの空気を割って入るように
お母さんが私を叱った
ソファーに落としたスマホを拾い上げて
二階に駆け上がる
リビングからは
「コーヒーでいい？」
ってお母さんの声がして
「突然お邪魔してすみません」
って謝る高嗣の声がした
ある程度の身支度を整えて
リビングに戻ると
テーブルには私の両親と向かいあって
高嗣が背筋を伸ばして座っていた
私に気づいた高嗣は
すぐに立ち上がって
「もも
ごめん！
俺ももに甘え過ぎてた。
戻って来てください！
お願いします。」
両親がいる前にもかかわらず
深く頭を下げる高嗣
チラッとお母さんに目をやると
あんたも謝りなさいって目が言ってる…。
「私こそ誤解与えることしてごめんなさい。
あと、家も飛び出てごめん。」
最後の方はモゴモゴ口ごもってしまう
すると高嗣は恐る恐る顔を上げて
「戻って来てくれるってこと？」
って私の顔を覗き込む
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作者名：きき | 作成日時：2018年5月29日 5時
