ただ愛してしまった。-Part.2-【名前変換】 (ページ41)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:607,196 hit

■Story.91 ページ41

＊

＊

＊

俺だって、玲衣じゃダメだよ。

ダメなのはわかっているけれど……

・

・

それは、今、目の前にいるｷﾐを守るため。

・

・

・

でもね、守りたいと思う反面。

何もかもぶち壊してやりたいという衝動もある。

・

・

・

あ「お兄ちゃん…………ううん、裕翔。

私だけ見てって言わないから……だから……」

・

・

・

裕翔「んなこと、絶対言っちゃだめ。」

・

・

愛の無い関係も虚しいけれど、

愛があっても結ばれない関係も虚しくて、

・

・

だけど、それをAはまだ分かっていない。

だから、俺に必死に訴えるんだ。

・

・

あ「だって、そうでもしないとお兄ちゃんが

離れて行っちゃうじゃん!」

・

・

瞳いっぱいに涙を貯めて、時折零して。

もう、俺の心も限界が近づいて来ていた。

・

・

・

・

裕翔「そんなことしたら今より辛いよ。

今より、もっと傷つくよ。

俺じゃなくて、Aが傷つくんだよ。

侑李といる方が幸せになれんだよ?」

・

・

・

あ「………………それでもいいよ。

私はお兄ちゃんとずっと一緒にいたいもん。」

・

・

・

俺にしがみつくように抱き着いて泣くAの姿。

それをきっかけに俺の理性が崩壊した。

・

・

・

涙が伝う頬に触れて、そのまま顔を近づけて。

Aの唇にキスを落とした。

・

・

・

やっぱり、Aが欲しくて仕方がないんだ。

玲衣がいなくなるのも嫌だけれど、

・

・

Aが違う男のﾓﾉになってしまうのも嫌なのが本心で。

・

・

欲張りなんだ。

・

・

手に一杯の荷物を抱えているくせに、

また新たなﾓﾉを買おうとして。

・

・

でも、古いﾓﾉも捨てられなくて。

全部が大事過ぎて、守りたくて、捨てられない。

＊

＊

＊