ただ愛してしまった。-Part.2-【名前変換】 (ページ13)

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□Story.63 ページ13

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裕翔「つーか、寒いよな。」

あ「えっ……うわっ。」

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お兄ちゃんのﾌﾞﾚｻﾞｰが少し乱暴に

私の肩に掛けられた。

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裕翔「また風邪ひいたら大変。」

あ「でも、またお兄ちゃんが看病してくれるでしょ?」

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いつもの柔軟剤の匂いと、お兄ちゃんの匂いの

制服をぎゅっと掴む。

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ふわっと香る匂いに小さな幸せを感じていると

額にデコピンが飛んできた。

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裕翔「看病目当てに風邪ひくの禁止だから。」

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あ「別にそんなこと言ってないもん。」

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裕翔「いーや、そんな感じの言い方だった。

ﾏｼﾞでAが具合悪い時の顔……見てらんない。」

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あ「心配性だね。」

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私がそう言うと、お兄ちゃんは少し夜空を見上げる。

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そして、もう一度私に視線をくれると……

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“Aだから心配になんの”と小さな声で言った。

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あ「ズルいよ、お兄ちゃん。」

裕翔「別に何もズルいことしてませんよ?」

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傍にいるからよくわかってるんだ。

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私がどういえば喜ぶとか、嬉しいとか、

恥ずかしくなるとか、照れて頬が赤くなるとか。

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あ「私、ばっかりドキドキしてる気がする。」

裕翔「ﾌﾌ、俺はAみたい顔に出にくいだけだよ。」

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お兄ちゃんの手がぎゅっと私の手を掴む。

そして、その重なった手はお兄ちゃんの鼓動を感じる。

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裕翔「ね、俺もドキドキしてるでしょ。

Aといると余裕じゃいられないの。」

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