期間限定の恋人ごっこ【桃】三

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間違いない。

絶対にAねぇだって。



最後に会ったのはAねぇが小６の時だけど、メイクはしててもその面影が残ってる。



それに俺が好きだったAねぇの優しい笑顔がそのまますぎて、１７年振りに見つけた幼なじみは俺好みの可愛いお姉さんだった。





一目惚れ？

て、おかしいか？

もともと好きな人だったし、二目惚れ？

どうでもいいけど、これ声かけていいよね？



ソワソワしていたらタイミング良くバーテンダーさんが ｢お待たせしました｣ だって。




｢ありがとう〜｣




お礼を言って、よし今度こそ！






｢そもそもAはどんな男ならいいわけ？｣

｢ん？｣

｢だってさAって見た目悪くないじゃん？ なのに彼氏いないって、どんなけ理想高いのかなって？｣

｢理想？ ……ん〜｣






あ、やっぱりAねぇじゃん！


名前まで一致したらもう確定っしょ！






彼氏いないって情報までゲットして。


気分よくした俺だったけど、Aねぇの次の言葉に愕然とすることになる。





｢長身でイケメンで料理できて年上で、しかも余裕で養ってくれるような人？｣

｢………いねぇわ｣

｢ははは｣






…………………。








｢あれ？ 佐久間どうした？ なんか元気ないな｣



お酒を片手に戻ってきた俺の様子がおかしな事に直ぐに気付く阿部ちゃん。



ストンと座って、一気にグラスの中身を飲み干した。








｢なあ、身長わけてくんない？｣


｢は？ 無理｣



だよね〜。



｢じゃあ、佐久間、明日から料理教室通うわ｣

｢……頭おかしくなった？｣

｢だあああっ！ 身長と年齢はどうにもなんねぇじゃん！！｣

｢どうした！？｣




再会して秒でフラれたんですけど。


いや告ってもねぇけどさ！



この胸のキュンキュンどうしたらいいの？





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