逃走劇のお手伝い【天月】 ページ5
「はぁ、ようやく逃げ切れた」
目の前で深くため息をつく彼女
ふわふわした見た目とは裏腹に、盗賊をやっている
「もう、こんな大変な依頼なら先に言っといて欲しいのに」
ぷくっと頬を膨らませて怒り始めた
こんな彼女が懸賞金までかかっている盗賊だなんて誰が思うのだろうか
きっと、大半の人は思わないだろうな
「それよりも、もっと早く逃げなよ〜」
盗賊の手助けをしてるなんてしれたら、打ち首だな、僕
「ごめんって、依頼放棄はしちゃいけない決まりだもん」
「それも、自分で決めたんでしょ……」
「まあ、そうだけどさ〜」
能天気に屋根の上で寝っ転がる彼女にため息が出る
「でも、そんなに嫌だったら止めても良いんだよ?」
天月だってばれたら危ないし
なんて
「は?やめないし」
「えぇ……なんなのさ……」
好きな人の手助けは誰だってしたいものだから
「まぁ、なんかあったら頼りなよ」
「お、今日は優しい」
「ちょっと、今日はってなに!」
「あはは!」
この穏やかな時間がもっと続けばいい
もっと君の側にいたいから
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作者名:豪華作者様 x他3人 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2017年10月14日 14時