扉の先に【募集企画小説】 (ページ19)

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19話『杏奈』ページ19

ウサギの話が終わった後、私は絶妙な気温の所にいた。

……ここどこ。
そしてあのウサギは！？扉！？へ！？

待って何も理解できない。
ここはここの人に聞くか！
どうしたらここの世界から出れるか、とか。

「……」

ん？

誰かいるぞ！こっちをみてくる…

なんかあまり…んー、なんというか｡｡｡

人間
っていう感じがしない気がする。

さては私が神だと気づいたな！

「うぃすうぃーす！杏奈でーす！」

私は右手を額に当て、敬礼した。

前の誰かは少し眉を寄せた

「……リオンだ。」

｢Oh！リオンよろしく！！」

リオン。覚えとこ。
リオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオン……

私は頑張ってその[リオン]の名前を脳内で復唱する。

うん！覚えた！

私は１人でガッツポーズした

｢よろしくしてやるよ、馬鹿！」

んなーーっ!?!?!?!?
あたしのこと馬鹿っていったこいつ！

リオンだっけ？髪の毛バッサバサだな！！

｢あたしは馬鹿じゃない！」

友達からは馬鹿じゃなくてアホって言われるもん！
あと天然とかマイペースとかキチガイとか……？

誰も私を神とは呼んでくれない！

リオンは呆れたような口調で続ける。

｢じゃあ、何？」

そりゃあ決まってるでしょ！

｢神！」

リオンは確信したように腕を組み、頷いた。

｢よし、馬鹿だな」

!?!?!?!?
お前もか！リオン！

｢ちがーう、神なの！」

｢分かったよ、ペーパーだな！」

「はぁ！？」

紙じゃない！友達も同じこと言ってくるし！
あと髪とか上とか！

わけわかんない！私は間違ってないのにな。

「馬鹿って言う方が馬鹿なんだい！この馬鹿！」
「はぁ！？俺様はお前みたいな能無しじゃねーよ！」
「誰が能無しだって！？」
「だからお前」

私は頬を膨らませた

ぐーっ!!!!!!
この余裕綽々な感じの顔が腹立つ！

リオンは私の顔をしばらく見つめ……

「ハッ」

鼻で笑った。