恋のカタチ#２ (ページ11)

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＊第59話＊私の大失態ページ11

だって…ここに乗ってると。

手越くん、意外といい匂いするし。

柔軟剤かな、甘いバニラの匂いがする。

「…A…？」

『…』

「A。もう下り…」

『…うぎぁぁぁぁ！ごめんごめん！』

私はあわてて手越くんから下りた。

あーもー私、ぼーっとする癖直そ…

「何ー俺から下りたくなかったの？」

『バカ！ち、ちがうから！』

「ふはは。分かってるよ。Aは俺のことが大嫌いだからねー」

『そ、そうだよ』

「ハイハイ」

私は完全に作り笑い。

だって、好きな人から私が嫌ってる発言されるんだもん。

まあ、私のせいなんだけど。

勝手に好きになった私のせい。

「わ、もう時間？…A、練習しといてねー(笑)」

練習終了後、あおいが私のもとにやって来た。

「A…ちょー暑いよねー！」

『うん』

「どーだった？地獄の練習。」

『つらいよほんとに』

うん、つらかった。

「あ、あと、練習中にAの悲鳴が聞こえたけど(笑)」

『あっああ…』

「手越、何かやったの！？(興味津々)
まさか、下ろさせてくれなかったとか」

その逆だなんて言えないよね。

『んーちょっと考え事してて』

「考え事ー？もう、気を付けてよ。おんぶ危ないんだから」

あおいは、てっきり私が考え事してて、手越くんから転落したと思ったらしい。

「あと三週間だから頑張ろーね！」

『うん』

だが…そのあとの練習も私はうまくコーンを倒せず…

なんとか倒しても、時間を競えるレベルではない。

とうとう本番まで一週間を切ってしまった。