拾陸 ページ21
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「だめだ、血が止まらない!誰か布をくれ!」
「ごめんなさい、ごめんなさい……」
「百合………?」
最終選別を、私は無事に帰ってきた。
だが、今私の目の前には、片腕をなくした百合と百合の救護を行なっている男性。その横には百合に泣きながら謝り続ける少女がいた。
本来なら無傷で帰ってくるであろう程の実力がある百合だ。
そんな百合が片腕をなくして瀕死になるはずがない。
恐らく、隣にいる少女を庇ったのだろう。
「百合……百合……!生きて、生きて帰るっていったじゃん!傷一つつけさせないって…言ってたじゃん……!」
どうしようもない悲しみが私に襲いかかってくる。
「どうしよう、血が止まらない……恐らく、この子はもう……」
「………私が、私が医者の所まで連れて行きます」
「何を言っているんだ、この子はもう助からない。それに君も凄く疲れているだろう」
「いえ、連れて行きます。まだ可能性があるのなら」
何度止められたって連れて行く。
絶対に死なせるものか。
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名無し5472号(プロフ) - 神や! そして宇隨さんお誕生日おめでとう!! (2019年10月31日 6時) (レス) id: 4ba81fc84d (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2019年10月29日 2時