【赤】ハートに火をつけて (ページ27)

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重岡「え…」

「大毅のその笑顔が辛いねん。

私に向けるなら

大毅のこと好きなファンに笑顔振りまいたほうがええんちゃう？」

重岡「好き勝手にベラベラ喋ってええもんちゃうぞ。」

「ごめん。でもそれが私の気持ち。

私はもう大毅と付き合うことはできひんって。

前も一度断ったやんな？」

…なんでや、A。

どうして俺を突き放すん。

「私はその大毅の笑顔が

もう、ビジネスにしか見えへん」

そう言ってAはコーヒーを飲みきった俺のカップを下げた。

…笑顔がビジネスにしか見えへん。

そんなこと言われたの初めてやった。

だいきゃんスマイルとか

ニコニコ天使ちゃんとか

俺の笑顔のキャッチフレーズみたいなんは作ってたけど

俺が楽しくてわらってるだけやのに

何があかん？なんでビジネスって言うん。

Aから出てくる言葉は俺の心をぐさっとさす凶器ばかりで

重岡「もうええわ。俺帰る」

ダメージが大きすぎて、もうAの顔を見ることもできひん。

あんなに好きやったAに

冷たく言い放たれた言葉が

どうしても信じられなくて

高校卒業してから楽しかった一年間が嘘だったかのように

俺らの間には限りなく分厚い壁ができていた。