【赤】ハートに火をつけて (ページ24)

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「今、どんな気持ち？」

お互い下着だけ着けて

ベッドの上で横に並んで寝っころがっている。

お互い天井を見つめて、

俺はさっきまでのAの大人になった

色気のあるAを思い出す。

重岡「どんなって…。

また、こうしてAと出会えて

Aと繋がれて嬉しい」

「ほんまに変態やな」

重岡「それは、お互い様やろ」

「昔はほぼ毎日求められて困ったわ。」

重岡「懐かしい。”なあ、ホンマに生理なん？いつ終わるん？”

”知ってたら苦労しないわ！”

っていうやりとりな」

「あったなぁ。懐かし」

昔はお互いを求めあって

仕事のこととか嫌なこととか

全部思いっきり忘れて

Aが居ればそれでいい

なんどもそう思いながら、Aの家に通ってたっけ。

重岡「なぁ」

「…なに」

重岡「昔に戻らん？俺たち。」

俺は上半身起き上がった。

重岡「Aは俺がジャニーズとか

なんも気にせんでええから。

もしなんかあったら、全部俺のせいにしてもええよ。

その覚悟はできてる。

Aが罪悪感を持ってるのって

俺がジャニーズってだけやろ？

Aはなんも気にせんでええ。

まだ、俺のこと好きでいてくれてるなら

俺にもう一度、チャンスください」

　

　

相変わらず情けない。

ほんまはジャニーズやめればええ話。

でも正直、ジャニーズになって得たものの大きさを考えると

偶然出会ったメンバーのことを考えると

偶然デビューできたことを考えると

たくさんの人に、俺が辞めることによって迷惑をかけてしまうことを考えると

そんなん、できるわけない。

ジャニーズは俺の青春や。

一生の青春を失うなんて前代未聞。

Aとジャニーズを天秤にかけることなんて、最初からできひん話やのに。

どっちも手に入れたい俺は

わがままなんかな。

「…付き合うことはできひん。

大毅は前よりもずっと人気なんやから。」

そう言って、Aは脱いだ服を着直す

「もう、遅いから帰り。

電車で来たん？

車で送るよ」

Aは、俺よりも何十倍も大人やった。

俺は、相変わらず子供で。

「二兎追うものは一兎をもえず

やで、大毅」

そう言い残してAは階段を降りて行った。

…振られた。

二回目やな。