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ひと段落笑ったところで




ある男子が俺に聞いてきた。





「で、結局どうなん?」


重岡「何が?」



「お前とAちゃんやんけ!


昔からずーっと一緒におって、

仲ええし、お似合いやと思ってたんやけど。






付き合ってんの?」






急に爆弾を投下してくんなや。




お似合いやと思ってたん?


それは素直に嬉しいこと言うてくれるやんか。



期待しているような顔で俺の返事を待つ男子たち。




A「…。」


重岡「実は…」



”一年前に付き合い始めました!”









そう言おうと思ったのに



ある女子がいらんことを言うてきた。




「付き合ってるわけないやん。」


重岡「え?」


「シゲはジャニーズなんやから。


Aちゃんと付き合ってるわけないやん。なぁ、Aちゃん」








 





 





 




みんなが一斉にAの方を向いた。


Aがどんな顔をしているから、車椅子を押している俺からは見えない。









A「…そうやね。」






なあ、A、こっち向いてや。





俺ら、付き合ってるやんな?





この一年間、仕事のない日はいっつもAの家に行って



他愛のないことで笑いあったり


お互い漫画読んでたり



ゲームだってしたやん。






Aがレポート課題してた時はしょうがないから


Aのベッドで爆睡しちゃって


掛け布団によだれ垂らして怒られちゃったこともあったよな。






今までできなかった分


キスもいっぱいしたし


お互いが求めていたら


その成り行きでしたいこともした。






たくさん笑って幸せで






俺らって、







愛し合ってるやんな?









そんな俺の思いは虚しく









「ただの幼馴染やで。」









Aは友達5人に向かって

間違いなくそう言った。





「ほら、もうケイタ〜。変なこと言うなや〜」

「ごめんごめん。俺らシゲがジャニーズってこと忘れてたわ」

「しっかりしいや〜。ホンマにもう」









Aが優しく放ったその言葉が、





俺をどんだけ深く傷つけたか








友達と別れを言って、



「…。」

重岡「…。」




お互い沈黙の時間が流れた。


成人式のBGMがうるさい。






「ローストビーフ」


重岡「え?」


「あっちやで」


重岡「あ、はいはい」








そのあとのことなんてあまり覚えてない。





気づいたら、オトンが迎えにきてくれて



2人で後部座席に座っていた。

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作者名:きい | 作成日時:2021年1月8日 0時

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