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成人式(過去) ページ12

恋人同士になって早くも一年が過ぎ、





成人式がやってきた。









Aのインターホンを押すと、Aのお母さんが出た。






母「どうも、大毅くん。





かっこいいわね」





重岡「あ、あざす。」





俺はスーツをビシッと着こなしていた。







重岡「Aを迎えに来ました」





そう言うと、ドアが開いてお父さんと一緒にAが出て来た。









Aは車椅子に乗っていた。









実は、年始にAが家族で初詣に行ったときに、




元旦に浮かれていた大学生の乗っていたバイクとの接触事故で




全治三ヶ月の骨折を患ったのだ。









Aは、振袖を着てメイクも完璧にしていて




いつも以上に綺麗な美人になっていた。






「…お待たせ」



重岡「…かわええやん」






照れながら言うと、







母「あんたかわええって言うのにそんなに照れてたらジャニーズは務まらんで?」





後ろからうっさいオカンの声がした。





ホンマに、絶妙なタイミングで入ってくんなや。









Aと俺はオトンの走らせる車で会場まで行くことになった。





俺がAをお姫様抱っこして後部座席に座らせると、Aがありがとうって微笑んだ。




かわい。









少し遠い会場やった分、Aとたくさん車内で話せる。






オトンが邪魔やけど、無口やから別にどうでもええ。





「ホンマは、袴着たかったよな。」




重岡「え?」




Aは窓の外の景色を見つめながら言った。




「私が車からスムーズに乗り降りしやすいように





スーツにしたんやろ?





ごめん」




…バレてた。




袴着たいとか、そんな感情はなかったけど


Aをお姫様抱っこするのに、袴だと手間取るかなと思って



スーツにしたのは事実。





Aに言わんかったけど、読まれてたか。







重岡「Aは何も気にせんでええよ」






「私もドレスにすればよかったかな



そしたら私を持ち上げるのに、だいぶ軽かったよね」






重岡「何でそんなこと言うん。




一生に一度の晴れ姿なんやから。




振袖が良かったんやろ?






俺はAの振袖見れて嬉しいで」









素直に言うと、Aは相変わらず、こっちを見てくれなかったけど




少し口角が上がっていた気がする。









父「…ついたで」



おとんに言われて、車を降り

Aを抱っこして、オトンの広げてくれた車椅子に乗せた。

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作者名:きい | 作成日時:2021年1月8日 0時

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