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中学二年生になった時。






俺はジャニーズ事務所のオーディションに受かった。






それが嬉しくて嬉しくて







次の日の朝、いつも通りAと登校したときに伝えた。









重岡「俺、ジャニーズに受かってん!」







きっと、Aも喜んでくれるやろ。




Aの笑顔が見たい。そう思ってワクワクしながら言った。








Aは、案の定驚いた顔をした。



「え、ジャニーズってあのジャニーズ?」




重岡「そ!すごいやろ??



俺、頑張るからさ



応援してや!」









嬉しがるかな



喜ぶかな



自分が受かったかのように




俺よりもはしゃいじゃうかもしれへん







そう思ったのに。









Aの反応は全く違った。







「…そっか。おめでとう。




頑張ってね」









それだけだった。







重岡「…お、おう。」



絶妙な違和感を感じた。









その日の放課後、







違うクラスのAの教室に行ったら、もうおらんかった。




今までは俺が部活やってても最後まで待っててくれたし



部活やめた後も、HRが遅くなっても待っててくれたのに。









Aはその日、待っててくれなかった。

その日、初めて俺は1人で下校した。






次の日からは、俺が待つ時は登下校できたけど



Aが俺を待つことはなかった。






登下校中のおしゃべりも、普段とあまり変わらなかった。


俺の話に笑ってくれたし


俺のおちゃらけた行動に呆れたりしてた。





…だけど。






心の距離だけは、どんどん離れている気がした。







Aに嫌われたくない。



もう頭の中はAでいっぱいで。








重岡「なぁ、俺のこと避けてる?」









俺が勇気を出して、思い切って聞いて見たら。





「…避けてへんよ」





そう言ってくれたのに




重岡「そっか」

「うん」





どうも、その言葉を信じきれなかった。







その言葉、もう一度俺の顔を見て言って欲しい。



そう思ったけど、言えへんかった。









俺とAの関係が少しずつ崩れていく音がした。









それから、頭のいいAとは違う高校に進学。



Aとの接点は、家族ぐるみのキャンプや旅行だけになった。

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作者名:きい | 作成日時:2021年1月8日 0時

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