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大我のことが好きだ。
そう気づいたら大我のことを意識せずにはいられなかった。
奈緒が大我と最初の関係を作ってくれたのが助かった。
大我は周りの人と同様、私のことを奈緒だと勘違いしたまま一緒にいてくれた。
奈緒と大我は仲が良いようで、周りからもヒューヒューと冷やかされてたらしい。
私もその洗礼を受け
それが私は恥ずかしくもあり嬉しくもあった。
誰にもバレることなく、１ヶ月もすぎたある日の夜。
奈緒が嬉しそうな顔をして私の部屋にやってきた。
「ねぇ、松村のこと好き？」
「…え？私と同じクラスの松村くん？」
「そうそう、あいつAのこと好きらしいよ」
「…どういうこと？」
奈緒はよくぞ聞いてくれたという顔をして私のベッドにうつ伏せで倒れた。
「いや、松村と隣の席でしょ？私Aと松村は隣の席だからよく喋る仲だと思ってたら、
アイツめっちゃインキャなのね。あんなにイケメンなのに知らなくてさ。
普通に話しかけてたら、どうも好かれちゃったみたいでさ。
まあ、何回か帰りに2人でファミレス寄ったりしてたんだけど。
だから、あとはよろしく頼むわ。」
「え、よろしく頼むって？」
「入れ替わり終わり。
明日からAはAのクラス行ってよ。」
「え、なんでよ…！」
「なんでって…。ずっと入れ替わりのままでいるわけにはいかないし。
それに、私は松村好みのタイプじゃないし。」
今、入れ替わりを終了したら、私は大我と一緒に入れなくなっちゃう。
奈緒は大我と喋る仲だけど、”私”は大我と知り合いですら無いんだから。
「あ、松村のこと北斗って呼んでるから。
明日からAも北斗って話しかけてあげてよ。
アイツ挨拶するだけで鼻血でるタイプだね、女性経験全然ないし一途だし
最良物件じゃない？」
奈緒は心こもってないことをスラスラと口にして私の部屋を出てしまった。
私の人生は生まれた時から狂ってたのかもしれない。
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作者名：きい
| 作成日時：2022年5月29日 1時
