＊ ページ12
水瀬が北斗と付き合った時はマジでショックだった。
俺が誰よりも水瀬のことを知っていると言うのは空想に過ぎず、
水瀬からすれば、俺も北斗もみんな同じスタートラインに立っていたことをその時に思い知らされた。
水瀬が選んだ相手だったら祝福するのが男前ってやつだと
そう思ってたけど、そんなの綺麗事すぎて心から北斗のことを憎み、
人生で一番嫉妬した。
深澤の一件で、北斗の気持ちを考えろと樹に言われてハッとした。
俺がやったことは、北斗と水瀬の今後を左右するようなことだって。
自分のやったことに後悔はしてないって、間違いじゃないって、
樹にそう言ったけど、そんなの嘘以外のなんでもなかった。
水瀬を傷つける行動を取ってしまった。
自分の行動に後悔して反省して、水瀬に謝ろう。
そう思ったのに、水瀬はその日を境にアルバイトを辞めてしまった。
授業で会うものの、�眞呂里い訌阿任呂覆�なか言い出せない自分もいて。
かといって2人きりになったとしても素直に言えない気がする。
それだったらいっそもう、水瀬を忘れよう。
そう思って付き合ったのが長谷川。
長谷川は水瀬がアルバイトを辞めた直後に入ってきた後輩で、
もともとはこのカフェの常連だった。
長谷川に告白された時も、もう�眞呂�ら聞いていたのか２番目でもいいと言われた。
でも結局長谷川のことを一度も好きになれなかった。
むしろ、長谷川とデートしてる時だって水瀬だったらこんなことしないとか
水瀬だったらこうやって言うだろうななんて、どうしても水瀬と比較してしまい
忘れたくても忘れられなかった。
久しぶりに水瀬にあった水族館。
ここでの出来事をきっかけに俺が長谷川を振った。
俺は最低なことをした。
長谷川の水族館での出来事は女性の本能を見た気がして怖かった。
こんなに敵意丸出しに水瀬のことを軽蔑するなんて許せない。
そんな思いもあって長谷川とは別れた。
「知らなかっただろうけど、俺はカフェのアルバイトで水瀬と再会した時運命だと思った。」
こんなに自分語りをするのは恥ずかしいし、二年間くらい片想いしていたその自分の感情を一気に数分で水瀬に浴びさせているわけだから
まともに水瀬の顔を見れるわけなんてなかった。
「…こんなこと言われても困るよな」
「なんで」
なんでって。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1251人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
オニオン(プロフ) - 完結おめでとうございます！きいさんの作品はどれも本当に素敵で苦しくなったり楽しくなったり、とまるで現実に本当に起こっているのではないか？と思うくらいリアリティなのですが、今回のは特に現実味を帯びているアンビバレントな感情になる作品でした。ポチ (2022年3月1日 19時) (
レス) @page18 id: 4300abda91 (このIDを非表示/違反報告)
ふらわ - ここまで物語に引き込まれたお話は、初めてでした。なので、初めてコメントさせていただきます！胸が苦しくなる時もありましたが、3人が良い方向に進めたので本当によかったです。もしよければ、本編では素直じゃなかった2人のラブラブなところを見てみたいです！！ (2022年2月27日 22時) (レス) @page18 id: ac3f4acf0e (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 完結おめでとうございます！言葉選び、心理描写どれも凄く好みで大好きです！♡可能でありましたら、アフターストーリー読みたいです☺︎ (2022年2月27日 4時) (レス) @page18 id: d901e94fa4 (このIDを非表示/違反報告)
きい(プロフ) - えみりーたさん» コメントありがとうございます！そのようなことを言っていただけて光栄です！[3]もよろしくお願いします。 (2022年2月23日 0時) (レス) id: 2c48d15d8e (このIDを非表示/違反報告)
えみりーた(プロフ) - とっても面白くて、一気にここまで読みました！更新楽しみにしてます！ (2022年2月22日 17時) (レス) id: d4d342cc13 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きい
| 作成日時：2022年2月21日 23時
