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7[T.K] ページ7

「……A、言ってた。病気の進行が早いんやって。



このままいくと、1ヶ月もすれば、補聴器つけても聞こえへんくなるって。」


菊池はそう呟いた。







「…教えてくれてありがとう。」







俺は無我夢中で走った。


自転車に跨って目指すはAの家。俺の隣の家。
















確かにAは、最近髪の毛をおろしていたし、それを指摘したこともあった。


『A、最近髪の毛下ろしてるな。』


『あ…そう。寒くなってきたから首元温めたくて。』


『ええなぁ。俺も髪の毛伸ばしたいけど。

なんか邪魔になってすぐ切っちゃうねんなぁ。』












あんな会話をしてたのも、もう一ヶ月前なのか。











髪の毛がストレートのAはストンと落ちてすごく綺麗な髪の毛をしている。








お手入れめっちゃ綺麗にしてるんやろななんて呑気なことしか考えてなかった。












まさかAの耳がだんだん聞こえへんくなってるなんて、梅雨知らず。




Aがあんな顔をするのを見たのは、今日が初めてやった。















…なんも知らんでごめん。なんで教えてくれへんかったん。二つの気持ちが葛藤する。

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作者名:きい | 作成日時:2021年10月17日 19時

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