[4]小瀧望、無期限の芸能活動休止します (ページ28)

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島に着いた。2年ぶりくらいやろか。

嬉しい。またここに来れたことが。

船を降りるとサヤカさんが迎えに来てくれていた。

「サヤカさん、お久しぶりです。」

「うん、久しぶり。アンタも大変だったねぇ。」

「え？」

「記事。見たよ〜。人間なんだからそっとしといてほしいよね。」

そう言いながらも嬉しそうに話すサヤカさん。

「なんでそんなにニヤケてるんすか。」

「いやぁ、Aとのんすけが付き合ってるのが嬉しくてさ。」

俺は思わずサヤカさんを見てしまった。

まさかあの週刊誌を見て喜ぶ人がおるなんて。

「サヤカさん、変わってますね。」

「そう？私が1番2人のことを応援してるからさ。

嬉しくて嬉しくてしょうがないよ。」

そう言いながらあっという間に家に着いた。

懐かしい。

ここで３ヶ月暮らしてたんよな、俺。

あの時は行き当たりばったりでここに来たというのに、最初から最後までサヤカさんは優しかった。

「ただいまー。」

「おじゃまします。」

「お邪魔しますじゃないでしょ、ただいまでしょ。」

「ただいま。」

サヤカさんと一緒に中に入ると、サヤカさんは居間でくつろぎ始め、Aさんは自分の部屋だと言った。

緊張しながらも襖を開ける。

Aさんは背中を向いていて、机の上の紙に一生懸命色鉛筆で風景画を描いていた。