[4]小瀧望、無期限の芸能活動休止します (ページ27)

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…サヤカさん、何か知ってるんと違うかな。

……知るわけないかと思いながらも、他にAさんを知る手段がないのも事実で。

もしかしたらの願いも込めて電話をかけると、久しぶりの声がした。

『もしもし？』

「あ、サヤカさん？小瀧です。お久しぶりです。」

『あぁ、のんすけ。まあ久しぶりね。元気にしてた？』

「もちろん。サヤカさんは…？」

『相変わらずだよ。それにAこっち来てるしね』

「え？Aさんそっちに今おるんすか？」

『あ、うん。今ちょうどいるけど…なんか伝えたいことある？』

「いや、え、えっと…Aさんなんでそっちおるんすか？」

なんとなく予感はしてた。Aさんはもしかしたらまた島で暮らしたいって思うんちゃうかって。

人のいない、自然あふれた場所で、沢山の癒しを求めに。

『知らないよ。そういうのは興味ないからねぇ。』

「Aさんに言いたいことがあるんです。

でも、自分の言葉で直接言いたいから、だからAさんには秘密にしといてもらえますか？」

『そう？分かった。明後日には来れる？』

「はい。」

サヤカさんとの電話を切って、俺は船のチケットを買った。

よかった。Aさんがおった。

Aさんにもう会えなかったらどうしようかと思った。

俺のせいでAさんをこんな辛い目に合わせて1人だけ本土でのうのうと生きてられん。

自分のためにもAさんのためにもちゃんと一回話し合いたい。

Aさんは大事な存在やから。