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彼女は勘違いをしている。



 



俺が犯罪をして警察から追われてると思い込んでいる。



 



でも、俺を犯人扱いしているようには見えない対応をすることに不思議と信頼が芽生え始めている。






 





名前をここに書く必要はなかった。



それに、書いて俺が芸能人だとバレる方が余程めんどくさい。



顔は知らない様子だったけど名前は知ってる可能性もあったから。


俺がシャーペンとメモ帳を返すと彼女は不思議そうに俺を見る。



「いいの?」

「はい、大丈夫。」

「じゃあ、なんて呼べばいい?」







彼女はシャーペンとメモ帳を戻し、俺に聞いた。





「わたしはサヤカ。生まれた時からこの街に住んでる。アナタは?」




彼女は名前だけ名乗った。だったら俺も名前だけ名乗るか。



「望です。」



「のぞむかぁ。じゃあのんすけって呼ぶか。」



 





 




…濱ちゃん、元気にしてるかな。


 




俺のことを唯一のんすけと呼ぶ濱ちゃんを急に思い出して懐かしくなる。




最後に会ったのいつやっけ。
 



 





「それで?関西から東京まで逃げた後に父島に逃げて来たの?」


 


「え?」



 


「関西弁でしょ?その感じ。








それから父島は東京からじゃないとこれないらしいんだよね。





わざわざ東京に来たんだ。」










ホンマに俺のこと知らんのか。



それだけが幸いやった。



芸能人だと思われるのも嫌やったし、その反応を見るのも疲れるし。







一般人として普通に接してくれるのってホンマに何倍も楽なんやと思う。








「俺のことなんかの犯人やと思ってます?」

「違うの?」

「…まあ、それでええわ」

「ここなんか盗み放題だよ。」

「え?」

「魚。釣り放題。」










そう言って、縁側に出て釣り道具の手入れを始めた。

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作者名:きい | 作成日時:2021年8月29日 23時

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