[1]小瀧望、無期限の芸能活動休止します (ページ15)

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Aさんと楓が2人でお風呂に入っている間、俺はスマホの電源をつけた。

　

シゲからやっぱり返信が来ていた。

シゲ小瀧おらんとつまらんわ

　

あぁ、みんな俺の居場所を作ってくれている。

だけどそれを俺は窮屈で辛いとさえ思ってしまう。

大切な仲間が俺のことを信頼してくれているのに、俺はなんて自分勝手なんや。

着信は10件以上来ていた。

マネージャーからと一件だけ照史からやった。

俺は照史に連絡した。

『もしもし、』

「あー、俺。俺に電話した？」

『あー。そうそう。マネが電話してくれって。心配してたで。』

心配もしてくれているかもしれへんけど

週刊誌のことやったり、俺に注意したいだけやと思う。

「あー。」

『どこおるん？

マネが望の家に行ったらおらんかったからびっくりしたって。実家？』

「そう。」

嘘ついたのに、すぐにバレた。

『そう思って実家にすでに電話したけど、望は来てないってお母さんが』

知ってんねやったら実家におるかどうか聞くなや。なんやねん。

『まあ無事ならええけど』

「無事とだけマネには伝えといて」

『はーい。じゃあ、これから収録やから』

「頑張って」

たった３分の電話でも、色々浮き沈みを感じる。

収録って、なんやろ。

パパジャニかな。

リア凸かな。

それとも、ターンテーブル？

俺もみんなと笑いたい。

思えば、活動休止してから一度も心から笑えてないことに気づく。

…みんなに会いたくなってきた。