[1]恋は不明瞭【赤】【緑】 (ページ10)

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来た来た。

私の乗る車に近づいてくる二人を運転席から捉えて安心する。

たまたま今日はバイトが休みだったので、すぐに大毅の電話に出ることができた。

大毅からの電話を切ってすぐに最寄駅へ車を急がせた。

大毅が後部座席のドアを開けた。

重岡「ほい。」

藤井「あ、すいませーん、こんにちは。」

「あ、ども。。」

大毅が横で爆笑しながら後部座席のドアを閉めて助手席に乗る。

藤井「シゲの彼女さん？」

重岡「せやで。」

…どうやら、私だと気づいてないみたい。

小学生以来だから、まあ顔もかなり違うと思うししょうがない。

私はすぐにわかったけどね。

重岡「待った？」

「うーん、そこまで。」

重岡「急に呼んでごめんな？」

「よりも？」

重岡「あ、来てくれてありがとうございます。フフ」

「フフ、ありがとう。」

藤井「なになになに、なにそれ」

重岡「ええねん。」

車を動かし始める。

夏手前だけれど、もう蒸し暑い。

藤井「彼女さんに運転させるとか、シゲカッコわる」

重岡「カッコわるってなんやねん！

ええねん、こいつの車やから。」

藤井「えっ、てか大学生で車持ってるってやばない？」

重岡「色々あんねん、お子ちゃまのお前にはわからんでえーねん」

藤井「相変わらずめんどくせーな。」

車は、おじいちゃんが買い換えたけれど、その一年後に免許を返納してしまい

もったいないから私の上京祝いにくれた。

大毅も私を迎えに来てくれる時に運転してくれる。

私は運転が割と好きだって伝えたら、乗りたいんやったら乗りやって優しく言ってくれた。

そう伝えると、なるほどってちゃんと納得してくれたのかわかんないけど、相槌を打ってくれる。

私と藤井のやりとりに大毅が爆笑する。

藤井「え、なに。」

重岡「あ、紹介するな。

俺の小学校の友達の藤井流星。」

知ってますよ。

藤井「あ、初めまして。

てか今？もっと早く紹介してや。」

重岡「そんで、こちらはAA。」

「ふふ」

藤井「え、え？A？俺の知ってるAちゃうやんな？」

「お久しぶりです、藤井くん」

藤井「え？マジで？マジでA？」

「そうだよ。」

藤井「えええええ、全然違うわ〜。」

重岡「ハハハ、マジでおもろ」

藤井が驚いているのがおかしい大毅が私の方を見て笑う。