[1]恋は不明瞭【赤】【緑】 (ページ40)

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神山「じゃあ、俺もうちょっと研究室にいないとあかんから。」

「うん。がんばってね」

神山「ありがとう。またな。気をつけて帰ってな。」

「こちらこそ。神山くんも気をつけて。」

…またな、に返事をしなかったのは精一杯の抵抗。

神山くんが学部棟の中に入っていくのをみて安心する。

よし。帰ろう。

そう思って半回転したと同時に。

「うわっ、びっくりした！！ソラ？」

ソラ「はいはい、あの人がマウンテンゴッド神山ね」

「え…。」

ソラが神山くんのことを睨んでいる。

ソラ「この後予定ある？」

「え、えっと…ある」

ソラ「ないでしょ。私の家に直行です」

「えーちょっと」

ソラに連れられて大学近くのソラの住むマンションへ。

長居するつもりはないのになーと思いながら大毅からのLINEに気づく。

大毅授業終わってんけど、これから小瀧が家に来るって。Aどこ?

大毅には一応、言っとかいないと。

A今ソラの家にいる。早く帰ってくるから夕飯先食べていいよ

了解のスタンプが来て既読つける。

ああ、早く帰りたいんですけど。

そんなことを思うけど、ソラはそんな様子じゃなさそう。

ソラは触っていた携帯を閉じて、私の目の前に座る。

ソラ「A。Aが今抱えている悩みを教えてちょうーだい」

真剣なソラの目。ソラの前では隠し事なんて通用しない。

だけど、神山くんのことは隠しておきたかった。

「神山くんとは、なにもないから。」

ソラ「そうなんだ。」

「うん。」

ソラ「じゃあ私が大毅くんに”Aが神山くんに会った”って、”大毅くんに内緒で会ってたよ”って言っても問題ないわけだ」

「…どうして意地悪なこと言うの。」

問題ないわけないじゃん。

問題ありありだし、そこをどうしたらいいか悩んでるのに。

ソラ「じゃあ、神山くんとなにもないわけないよね？

なにがあったの。神山くんって同じマンションで幼稚園から一緒にいた人だよね？」

「幼稚園と小学校は同じだったってだけ。仲良くなったのは中学校から。」

ソラ「あ、その前は藤井くんだもんね。」

「そうそう。」

　

ソラは結構強め正論を言うからツライ。だけどそれは私のためを思って言ってくれるから助かっている。