[1]恋は不明瞭【赤】【緑】 (ページ39)

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…わたしは、まんまと神山くんが金髪にしてから

神山くんのことが好きになったというわけ。

神山くんの作戦通りに動いていたんだ。

神山「それで、3人でおるようになってんけど。

勇気なかってんなー。A、シゲのこと好きなんちゃうかって思って。

それに、転校するかもしれへんって親に中学生の時から言われてたから。

結局高一の時に転校したけど。

言われへんかった。どっちみち、Aのことは諦めなあかんと思ったから。」

そういう神山くんは寂しそうな顔をして最後のスパゲッティを食べる。

…両想いの時があった。

しかも、神山くんは、私よりも先に私のことが好きだったなんて。

…全然分からなかった。全然知らなかった。

気づいてももう遅いし、

神山くんは昔の話として、

過去の話として私に言ってるわけだから

きっと私のことはもうなんてことないんだろう。

そりゃそうだ。

神山くんが引っ越した後の７年間。

神山くんだって神山くんの環境があるし、

私だって

…大毅がいる。

私が今、1番大切な人。

　

神山「俺、転校した先の高校さ、

流星と一緒やってん。めっちゃ偶然じゃない？」

藤井から聞いたその話。

私はなんで答えればいいのか分からない。

神山「…そういや、シゲは元気？

会ってる？」

　

藤井は約束を守ってくれている。

大毅に神山くんの話をしないという約束は

あの人なりに、神山くんにも大毅と私の関係を言わないでくれているんだと思う。

…藤井は知ってるんだろうか。

神山くんが私のことを好きだったことがあるって。

多分知らない。でも、こないだドラッグストアで会った時の私の言動には違和感を感じてたはず。

…何をしているんだ、私は。

…どうしたらいいの。どうすればいいの。

この状況をどうして後回しにズルズル引きずったんだろう。

引きずったところで大毅にいつか話さなきゃいけないことくらいわかってたはずなのに。

大毅に知られたくない思いが募って

結果、大毅が知らないところで神山くんと会ってる私って。

…それでも大毅のこと好きって言いたい私って。

神山「…A？どうしたん？」

神山くんの声にハッとする。

…神山くんと会うのはこれで終わりにしなきゃ。