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神山「久しぶりー!


ごめん、待った?」


…結局、神山くんと大学内で待ち合わせをして学内カフェで話すことになった。





「全然。




あれ、今日来たんだよね?」



キャリーバッグがないのを不思議に思いながら聞く。


神山くんはリュックサックしか背負ってない。


そして、手にはパソコン。いかにも理系男子だ。





神山「この大学の寮に2週間だけいれることになってん。」

「2週間?長いね。」

神山「俺が使いたい装置がこの大学にしかなくてさー。やっぱり国立と私立はちゃうなー。」


そんなことを言いながら歩き始める神山くん。



夏もだいぶ暑くなってきた。

私が汗拭きシートを渡すと俺持ってると言われる。

…なかなかの女子力。そういうところは大毅とは違うんだよね。



大毅と違って、香水の匂いもする。


2週間いるってことは、当然大毅と会う確率もある。

…私ができることなんて何もない。



ふと神山くんが時計を見る。



この時間帯は、小瀧くんと大毅2人は、去年落とした単位を回収するため、


授業を再履修している。



あえてこの時間を選んだのはそれが理由。




かなりの罪悪感を抱きながらカフェで正面に座る神山くんのことを見る。



「…就活の時は黒かったのに。」


髪の毛が赤色になってる神山くん。


笑う神山くんは昔と何も変わってない。



私が大好きだったあの頃と。何も。






神山「俺が髪の毛染めようと思った理由は、実はAなんやなー。」




ジュースを飲みながら悪い顔をして私を向く彼。




「…私?どうして。」




“ホンマに標準語違和感やな。”って、大毅とは逆のことを言いながら、神山くんは目の前のスパゲッティも食べ始める。



私はこの後大毅と夕飯作るからご飯類はやめておいた。




 








 





神山くんから次に出てくる言葉に私は驚きを隠せなかった。






神山「俺、幼稚園の時からずっとAのこと好きやってん。」





…え?






知らない世界に足を踏み込んでいる感覚。




神山「でもずっと流星とシゲと3人でおったやろ?


同じマンションやのに俺は眼中にない感じ。



中学生の時、流星が違う中学に行って

俺ら3人マンション一緒やし仲良くなりたいなーと思ってたけどきっかけがなくて。








 





それで思い切って金髪にした。笑



振り向いてくれへんかなーって。」









私の知らない世界は、あまりにも沼が深すぎて


簡単に抜け出すことはできない。

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作者名:きい | 作成日時:2021年8月1日 20時

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