[1]恋は不明瞭【赤】【緑】 (ページ37)

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37 小瀧ページ37

小瀧side

ソラ「ねえねえ、昨日Aとレジで喋ってた人誰？

小瀧のバイト終わりぐらい。」

2日連続バイトの日。

バイト直前にソラが話しかけてきた。

小瀧「あー。多分流星のこと？」

ソラ「あれ、流星？なに、ゴッドマウンテンじゃないの？」

小瀧「は？誰やねんそれ。」

ソラがよく分からん横文字を言う。

エプロンをキュッと閉めると、ソラは髪の毛を結え始めた。

何度でも言えるけど、俺はその瞬間に胸がドキドキする。

ソラ「うーん、Aの多分初恋の人。

酔っ払った時に一度だけ教えてくれたんだよねー。

大毅くんと3人でよく一緒にいたって話。」

藤井『まあ、俺は小学生の時のAとシゲしか知らんし。』

流星のあの言葉を思い出しながら、シゲが自分に自信がなかったのは流星が登場したあたりからやったななんて考える。

ゴッドマウンテンはよく分からんけど、多分流星のことかな？と思いながらテキトーに相槌を打つ。

小瀧「多分流星のことやと思う。

でもお互いなんの感情もなさそうやったで？」

『…こないだ、嫉妬されたばかりなんだよね。』

俺の家で寝てしまったシゲを起こした時にAの発言と

藤井『先に言うけど、俺はAに対して特別な感情持ってないで？』

流星の昨日のあの発言。

だから、シゲの嫉妬はほんまに単なる勘違いやと思う。

ソラ「…流星って藤井？」

小瀧「あー、そうそう。

なんや、Aから聞いてるん。」

ソラ「こないだ小学生以来に会ったって人だよね？」

「あ、それそれ。」

そう言うと、ソラは微妙な顔をした。

ソラ「私の勘からすると、ゴッドマウンテンは別にいそうな気がするんだよなぁ…。」

小瀧「なんやねん、さっきからゴッドマウンテンて。」

ソラ「Aの初恋の人だよ。大毅くんから聞いてない？」

俺は首を振る。

ソラ「まあ、大毅くんがゴッドマウンテンのこと忘れかけてるんだったら触れないほうがいいか。」

と、よく分からんけどソラがフロントに出る。

開店の準備。

触れないほうがええ話やったら、わざわざ掘り起こすこともないか。

流星に対する心配がシゲの中からなくなった今、

また新しく問題を俺自身がシゲにぶつけることは絶対にしないほうがいい。

だから、不安に思ってることとかあればAにぶつけろという流星からのアドバイスはシゲにしなかった。