34 重岡 ページ34
重岡side
重岡「半分こしてるやん」
「…してないと思う。」
重岡「なんでやねん。」
珍しくAの気持ちが少しだけ沈んでいる。
暗い車内。Aの顔があまり良く見えへん。
…なあ。今何を思ってる?
パピコを食べる車内は暗いまま、どちらも何も話さず黙々と冷たくなる。
だんだん手先まで冷えて、俺のが無くなったと同時にAのも無くなった。
俺がビニール袋を渡すと、ありがとうと言いながらAがゴミを中に入れる。
俺も中に入れて後ろの方に縛ったビニールを置く。
エンジンを入れようとしたけど、俺はシートベルトを外して、不意にAの唇に自分の唇を合わせた。
さっきのアイスの味がする。
「…大毅。」
Aが言う前に、俺は自分の思いを打ち明けた。
重岡「俺がAに嫉妬しすぎたのが、ストレスやった?」
「え…?」
重岡「俺、流星とAが話してるだけでなんか不安に思ってん。
小瀧とAが話してても何も思わんのになー。」
「…」
重岡「きっとさ、小学校の頃の記憶って断片的なものでしかないし
ほんまに10年ぶりやからさ。
流星がAのこと好きになってもおかしくないやん?
俺よりも背高いしイケメンやし?笑
…正直、強敵が現れたって勝手に思って焦った。
Aがどっか行ってまいそうで。」
まあ、それは小瀧に言われて大丈夫だと言うことが判明したんやけど。
重岡「つい最近まで心配で、ちょっとAのこと信じてやれへんかったかも。ごめん。」
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作者名:きい | 作成日時:2021年8月1日 20時